特別な時間が流れている

仲井戸麗市『I STAND ALONE』

2010年01月20日発売

仲井戸麗市 I STAND ALONE
さる10月11日、仲井戸麗市はたった一人でRCサクセションを中心とする忌野清志郎の楽曲を歌うライブを行った。本作は、そのSHIBUYA-AX公演を2枚組で完全収録したDVDである。

二人の深い関係を思うと、盟友を失ったチャボの心痛はいかばかりか。そんな心配をした方は多いだろう。しかし演奏が始まると、雄弁なギターと歌声に文字通り圧倒されるはずだ。RCのナンバーが、チャボのなかで年月をかけて熟成され、新しい色や匂いを伴って生まれ変わっている。インストで情感豊かに演奏された“エンジェル”、チャボらしいブルージーな趣が加わった“お墓”など、どの曲にも新鮮な驚きと発見があった。

“君が僕を知っている”では、チャボが清志郎のパートを歌い、観客がチャボのコーラス部分を歌う場面がある。そこに清志郎がいなくなったことの重みを感じつつも、彼の音楽が今も生命を保ち、多くの人の手でリレーされている事実はやはり一つの希望なのだと思える。清志郎への思いと、未来への思いを一篇の詩にまとめ上げたチャボ自身の朗読にも、同様の意味で胸を打たれた。(神谷弘一)

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