こんなバンド他にない

メルヴィンズ『ザ・ブライド・スクリームド・マーダー』
2010年06月02日発売
ALBUM
メルヴィンズ ザ・ブライド・スクリームド・マーダー
昨夏のフジ・ロックでの演奏も未だ記憶に鮮烈なメルヴィンズの新作。ツイン・ドラム編成となって3作目、数多くのツアーもこなしてきたことで、凄腕ドラマー2名を有するポテンシャルは、いよいよ全面開花したようだ。全編これぞメルヴィンズという怒濤のヘヴィ・ロック満載だが、いきなり1曲目から、後半はアメリカ兵が訓練でランニングする時の掛け声になるなど、一筋縄ではいかない展開が連発。時に悪ふざけの暴走気味になる彼らならではの奇抜なサウンド・クリエイティングも本作では非常に良いバランスで配置されているように感じる。そして、こうしたユニークな楽曲群における独特の音像の確立に、バンドと強い信頼関係を築き上げたエンジニア=トシ・カサイの手腕が大いに貢献していることは言うまでもない(※前作に引き続き、カサイ氏による日本盤ライナーノーツは必読)。

バズ・オズボーンが歌っていない曲も結構あるのに、まったく気にならないことも、現在の4人体制による化学反応が良い形で活性化している事実の証明だろう。超ベテランにもかかわらず、このような状態を保てているのはまさに驚異だ。(鈴木喜之)
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