ほぼ無名だった昨年、「COUNTDOWN JACK」で入賞を果たし、見事幕張の舞台を勝ち取ったALL OFFのデビュー音源『From Midnight To Sunshine』。カリフォルニア育ちのフロントマンによるハイトーンな英詞ボーカル。変幻自在のツイン・ギターが奏でるクリアかつラウドなメロディライン。ヘヴィなビートにも軽快なパンク・チューンにも対応できる安定感のあるリズム隊。そして何よりも、アメリカ西海岸のストリート・ロックから多大な影響を受けながら、この町田出身の5ピースが奏でるサウンドには、「今、目の前にある絶望とどう闘うのか?」という極めてシリアスでリアルな処方箋が明示されているのだ。単なる「自己憐憫」としてのエモが乱発していた一時にあって、このALL OFFのようなバンドが登場してきたことは非常に心強い。まさにタイトル通りの「夜明け」が歌われた今作は、「慰め」のエモから「希望」のエモへと移行する、転換期のシーンを象徴するようなアルバムである。ラスト・トラックに歌われた《この夜を価値あるものにするんだ》という宣言に、この全てが集約されている。(徳山弘基)