誰もと同じ思いが詰まった5曲

DOES『FIVE STUFF』
2011年07月27日発売
ALBUM
DOES FIVE STUFF
4作目『MODERN AGE』から半年しか経ってないのに5曲入りを出すとは、こいつらのやる気が丸見えだ。昨年のツアーからサポート・ギタリストを加えて、バンドの音が大きく変わったことが主な動機だろう。ちょうど震災の頃に制作していたらしく、それも反映されているようである。ブログで氏原ワタルは「おれはカッコいい曲作って、カッコいいライブをしたい。暗い今だからこそ、なるべく明るくしたいと思う」と書いていた。
 
1曲目“イーグルマン”は、三陸海岸に生きる猛禽類ミサゴと失われた日々を連想させる、力強いナンバー。やるせない思いを叩き付けるように歌う、ワタルの声が頼もしい。歪んだベースから入る“黒い太陽”も未来に進む力を与えてくれる曲。“タイニー・パンク”で《言葉じゃなくて/愛を叫ぼう》などと直球に歌うのも、今までのワタルとは違ったメッセージだ。そして珍しくドロップビートで聴かせる“欲望”、大らかに日常の小さな幸福を歌う“トゥデイ”が、このバンドらしいホノボノ感で心を温かくする。誰もと同じワタルの思いが、この5曲に詰まっている。(今井智子)
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