[Alexandros]の真髄が最深部で唸り、呻く──新作『SINGLE 2』レビュー

[Alexandros]の真髄が最深部で唸り、呻く──新作『SINGLE 2』レビュー
現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』11月号に、[Alexandros]川上洋平&磯部寛之による最新インタビューを掲載している。
先日リリースされたCDシングル『SINGLE 2』のこと、最新のバンドのモード、そしていよいよ今月末に開催を控える野外主催フェス「[Alexandros] presents THIS FES '24 in Sagamihara」のことなどたっぷり語ってもらった。

『SINGLE 1』に続くナンバリング作品となる『SINGLE 2』は、今彼らがどこを向いていて、これからどこに向かっていこうとしているのかが肌で直に感じれられるような作品だ。

1曲目“Backseat”の冒頭《あまり覚えてないんよね/あの夜 Men I Trust を/どこの Zepp で観たかなんてさ》──そんな些細で繊細なセンチメントを垂れ流し、《気が抜けたハイボール》《薄暮れた部屋の隅(すき)》などとやるせない感情を吐き出した言葉とは裏腹に、軽やかに身体を揺らすグルーヴが心地いい。「二番手」の意味も持つ“Backseat”という皮肉めいたタイトルが一層哀愁を刻むようだ。


一方、菅田将暉主演のサスペンススリラー映画『Cloud クラウド』のインスパイアソング“Boy Fearless”は、人間の本質に訴えかける黒沢清監督特有の不穏な空気を全編英詞でロックに昇華させた1曲。孤独と憎悪にまみれた日常を横殴りにして体内に潜む恐怖を吐き出すように身体の最深部で唸り、呻く。


CDにはリアレンジされた“真夜中(drive ver.)”と、メンバーの地元・相模大野駅の駅メロに起用された“ワタリドリ (駅メロ full ver.)”も収録されている。前作以上によりプリミティブなロックサウンドを追求した今作は、バンドが限りなく本質的な結実を果たしていることを物語っている。──絶頂を更新し続けている彼らが嵐の目となって巻き起こす「ディスフェス」で何を見せてくれるのか、非常に楽しみだ(橋本創)

【JAPAN最新号】バンドの原点モードに立ち返りつつ、これまでを超えるハイブロウなロックを放つ今の[Alexandros]。そのすべてを川上・磯部が語り尽くす!
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