決して鋭利でも逞しくもないこのサウンドで、それでもあふれんばかりの――というかあふれまくりの衝動にまんま身を委ねてポップ感を跳ね回らせながら、今この時代の混沌に対するカウンターアクションを響かせてしまう稀有なバンド、ザ・ダウンタウン・フィクション。80sポップ・クラシックからパンク/エモまで多彩なエッセンスを飲み干しながらそのすべてを血肉化していくバイタリティもさることながら、初期フォール・アウト・ボーイを彷彿とさせるM2“フリーク”、飾りっ気のないカッティング一発から高揚感の頂点へとかっ飛ばしていくM3“ストーンド”といった楽曲には、それこそUKオリジナル・パンク勢が世界に中指立てたメッセージの代わりに超美メロをぶん回してみせるような爽快さが凝縮されている。さらに、“アイ・ジャスト・ウォナ・ラン”“ア・ワンダフル・サプライズ”といった楽曲でもって「USシーンのど真ん中で鳴り響くバンド」の資格ありありの輝度とスケール感を見せつけてもいる。折しもメジャー・デビューを飾った今作タイミングでサマソニ来日も実現。その可能性をぜひとも見届けておきたい。(高橋智樹)