5月にリリースされたインディーズ1stシングル『砂男・東京』でフォークをパンキッシュに疾走させた5人組、THEラブ人間のメジャーデビューEP。四畳半から世界へと鬱屈したエネルギーを解き放つような“砂男”とは対照的に、ここには甘酸っぱくポップな楽曲と、ノスタルジックで内省的な歌が並んでいる。にもかかわらず異様なテンションを感じるのは、繊細な言葉を大胆に提示してくる歌手・金田康平の作詞センスによるところが大きい。表題曲では、青春の真っただ中にいるはずの人間が、《これはもう青春じゃないか!》と高らかに歌う。だがそう言ってしまった瞬間に、「それはもう青春じゃない」というニュアンスが顔を出す。「青春」という言葉が死んでしまった今、青春を意識せずに青春することなどできない。だったらわざわざ目指してまで青春をやるのかどうか。そこで「やるよ」でも「やるしかねえ」でもなく、「やってしまうんだよ」と答えるのが、このバンドの根本的スタンスであると思う。逃れられぬ人間の「業」をひとつひとつ手にとって確かめるような歌が、聴く者にこの上なく生を実感させる。(井上智公)