バイアグラ・ボーイズをSpotify O-EASTで目撃!

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遥々、北欧スウェーデンの地からバイアグラ・ボーイズがついに初来日を果たした。
鋭い視点で社会と自己を切り取る風刺的なリリックと、ガレージロックからアートパンクまで往年のロックの文脈を踏襲しつつも、単なる懐古に終わらないクリエイティビティを放つ楽曲によって、現行ポストパンクシーンの重要バンドとして存在感を高めてきた6人。そのライブは、そうした知性や構築性をあえて乱暴にひっくり返したかのような、爆裂したパンクセッションとして立ち上がるものだった。
超満員のSpotify O-EASTを文字通り轟音と魂のシャウトで掻きむしった昨夜の様子を完全レポート!

公演開始予定の19時直前、約1800人を収容する会場にはすでに熱気が充満しており、オーディエンスは高揚と焦燥の入り混じった空気の中で、それぞれのベストとなる立ち位置を探して右往左往していた。バンドの破天荒なイメージから、多少の押しは想定内という空気もあったが、その予想を裏切る形でメンバー6人は定刻通りにステージへ姿を現す。
シンセ調の出囃子が伸びやかに流れるなか、ボーカルのセバスチャンが嗄れ声で《Okay, alright》と咆哮し、ライブは幕を開けた。オープニングを飾ったのは最新作『viagr aboys』の1曲目“Man Made of Meat”。曲の冒頭の段階からシンガロングが巻き起こり、会場には早くも高電圧の一体感が生まれていた。

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この空気を確実に束ねていたのはセバスチャンのフロントマンとしての資質だ。アウトロー然とした風貌や荒々しい声質とは裏腹に、そのパフォーマンスは驚くほどストイックで、常に全力で歌い切る姿勢が印象的だった。スピーディなドライブ感が際立つ“Slow Learner”でも、キャッチーなダンスロックナンバーの“Waterboy”でも、地鳴りのような低音ボーカルを一切手を抜かずに響かせる。
中でも“Punk Rock Loser”は序盤のハイライトと言っていい。過去の自分を嘲笑的に描いたリリックを歌い上げるその姿には、フロントマンとしての成熟と、パンクス特有の衝動が同時に滲み出ていた。単なるアンセム消費に陥らず、現在進行形のリアリティを更新し続けている点に、このバンドの強度がある。その後、日本盤ボーナストラックとして収録された“Therapy Ⅱ”が披露されたことも含め、ファンを的確に突くセット運びだった。

公演開始から約30分、バンドは一度ステージを後にする。
第二幕は“Pyramid of Health”から再開。グランジ調の爽やかなギターリフと電子音が重なり合い、序盤の暴力的とも言えるテンションとは異なる、バイアグラ・ボーイズの遊び心が前景化する。縦ノリにも横ノリにも対応できる柔軟さは、このバンドの大きな武器だろう。
“Troglodyte”のアウトロに見られるコミカルな展開や、“ADD”で一気にダンスフロア化する会場の光景は、LCDサウンドシステム的な文脈を想起させつつも、より粗く、より身体的だ。個人的なお気に入りである“Medicine for Horses”が、切ないロマンスナンバーとしてしっかり機能していた点も印象的だった。(本当にありがとう御座います……)

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怒涛の展開が続く中、本編ラストの“Research Chemicals”は、この日のライブを象徴する決定的瞬間だった。ここではセバスチャンのカリスマ性だけでなく、バンド全体のアンサンブル力が前面に押し出される。ヘンリクのベースは土木重機のようなラウドさで楽曲の基盤を固め、トールは長尺の展開でも一切ブレないリズムをキープ。リーナス・ヒルボリのギターにはトム・モレロを思わせるテクニカルな切れ味があり、エリアスのマルチな演奏技術も楽曲に奥行きを与えていた。

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その中でも特筆すべきは、サックス/フルート/ギターを担うオスカーの存在だ。『ファン・ハウス』期のストゥージズを過剰摂取したかのようなアンサンブルは、間違いなく彼の手腕によるものだろう。(長尺の演奏、大変お疲れ様でした……)

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拍手喝采の中で本編は幕を閉じ、アンコールでは“The Bog Body”、“Return to Monke”、“Worm”を披露。最後に剥き出しの反骨的パンクエナジーを惜しみなく放出し、ライブは大団円を迎えた。
初来日公演としては出来過ぎとも言える完成度。まさにバイアグラ・ボーイズの日本進出が大成功だったことを強く実感させる90分間だった――(一日も早く、日本に凱旋してくることを心待ちにしております――)(北川裕也)

---セットリスト---
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