デビューシングル “ミッシングリンク”がアニメ『TIGER&BUNNY』のOP曲になり、その名を広めつつある愛知出身のニューカマー、NOVELS。結成4年目を迎える彼らはすでにインディーズで3枚のシングルと2枚のアルバムをリリース。メジャー1stアルバムの今作は、個々の演奏力に裏づけされた、繊細に折り重なる立体的なアンサンブルが印象的。それは楽曲に奥行きを与え、音と言葉が立体的に絡み合っていく。竹内真央(Vo・G)の書く詞は、随所にちりばめられた《抗生物質》や《光学顕微鏡》といった科学的な詞と、《齧った林檎》や《コーカス・レース》などの寓話的な詞で現実と非現実とに焦点を自在に変えながら「生」を描く。彼は、それが終わることを知っている。と同時に、終わらないことも知っている。つまり目に見えなくなっても、それは存在し続けるということ。なぜならそれは君の思い出の中に刻まれ、細胞の記憶となって二重螺旋を駆け巡るから。聴いていると脳の後ろ側が遠い記憶を辿りに出掛ける感覚に襲われるのは、彼らの音楽が細胞レベルで記憶を呼び起こさせる力を持っているからだ。(中村萌)