ゲスト陣もなかなかに豪華

ジム・クラス・ヒーローズ『ザ・ペイパーカット・クロニクルス2』
2011年12月07日発売
ALBUM
ジム・クラス・ヒーローズ ザ・ペイパーカット・クロニクルス2
昨年は、フロントマンのトラヴィー・マッコイがソロ・アルバム『ラザルス』をリリース。ブルーノ・マーズをフィーチャーしたシングル“ビリオネア”がアメリカでヒットしたり、スーパーグラスの“オールライト”をサンプリングした“ウィール・ビー・オールライト”を英国でシングルカットしたり、あるいは欧州でツアーといった活動が続いたが、いよいよ本体のジム・クラス・ヒーローズが3年ぶりとなるアルバムを完成。ソロのハジけたラップやパーティ・チューンもいいが、やっぱりこのバンド然としたサウンドで、多ジャンル(ファンクにR&B、ロック、ハードコア・パンクにメタルまで)の暴飲暴食でわがままに肥えていった音と、トラヴィーのポップでスマートなラップという組み合わせはおもしろい。元ネタを換骨奪胎してフックや暗喩的な含みを持たせるヒップホップのトラックの刺激と、アグレッシヴにドカスカ暴発しながら切り込んで行くロック・サウンド、このふたつのマッチアップがより手に汗にぎるせめぎ合いとなっている。次の曲で何が起こるのかという期待感と、作品トータルでの群像劇的な昂揚感が磨かれた内容だ。(吉羽さおり)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする