今年デビュー15周年のゆずから届いた、新たなベストアルバム。『超特急／陽はまた昇る』以降2011年までのすべてのシングル、そして “栄光の架橋”の新ヴァージョン（中国国立交響楽団が参加）と、関ジャニ∞に提供した北川悠仁作の“T.W.L.”セルフカヴァー・ヴァージョンが収録されている。16曲中13曲でタイアップが付いている、そういう意味でもゆずの新たな黄金期を網羅する1枚だと言っていいだろう。
　
とにかく、この時期のゆずは“栄光の架橋”から始まったと言っていい。歌われる景色のスケールが格段に広がり、真摯で力強いメッセージが楽曲の背骨となっていく。それが“虹”や“慈愛への旅路”、そして“Hey和”という究極のアンセムに昇華され、3・11以降の彼らの逞しい存在感へとつながっていった。そして、回り回って生まれ変わった“栄光の架橋”は、そんなゆずの歩みを大きく包む。《いくつもの日々を越えて　辿り着いた今がある／だからもう迷わずに進めばいい》というフレーズの絶対的な強靭さは、今改めて意味をもっている。全国民が買うべきアルバムだ。（小川智宏）