2月にリリースされたメジャーデビュー作『透明なのか黒なのか』(黒盤)と対になるのが、この『ランドリーで漂白を』(白盤)だ。前作が赤い公園のオルタナティヴ・ロックとしての先鋭性を凝縮した1枚なら、今作はよりポップ・サイドにフィーチャーした1枚。憎らしい程のイタズラ心と暴力性も孕んでいるものの、愛らしい歌声が響く“ナンバーシックス”や、狂おしいほど美メロでキャッチーなサビから始まる“ランドリー”などは、彼女たちの新たな面を提示している。赤い公園のポップは、いびつで、可笑しくて、醜くさもあって、なんだか切ない。それって人生そのものみたいだ。ギミックだらけの音楽のようで、実は4人が刻み込んだ自分たちの生身のリアルこそ、赤い公園のミソなのかも。本作を締めくくる《私は私を殺してやりたくなるのさ》なんていう言葉は別に「強烈な表現」なのではなく、毎日を生きること自体が既に強烈で、そのことを知っている彼女たちの素直な表現なのだろう。今後彼女たちのやりたいことがもっと明確に音楽として表出した時、本当にとんでもないバンドになると思う。(福島夏子)