個性=才能の正しい形

PES from RIP SLYME『女神のKISS』
2012年05月30日発売
SINGLE
 PES from RIP SLYME 女神のKISS
当初は#pepes_jpなるペルソナで煙に巻くようにしながら、でも数秒間の声を聴けば一発でバレバレ。グループ名までしっかり背負ったPES from RIP SLYMEである。大歓迎のソロ始動ではあるのだけれど、決して意外な展開ではなかった。なぜ今までやらなかったのか、というほうが不思議なくらいだ。他アーティストへの作詞提供やヴォーカリストとしての作品参加があっても、基本的にPESは自らの才能の落とし所をリップというグループに求めてきた。そのことが、今回のソロの名義にも如実に顕れていると思う。
 
メロディ・メイカーとしての才能、ギター奏者としての才能を思い切り解き放つような3曲。サルソウル風トラックと名手揃いのバンドが織り成す表題曲は、女神へと寄せるときめきを描き出しつつ《街中が君の話題で持ちきりさ でもかまわないで》という斜めからの歌い出しが余りにもPESである。ダブステップを極めて軽やかなマイクリレーに仕立てた“この夜は終わらない”、音楽の心地好さがそのまま率直なメッセージと化した“南の風に誘われて”と、それぞれに役割を感じさせるシングルだ。(小池宏和)
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