彼らの内側にあり続けるもの

SEKAI NO OWARI『ENTERTAINMENT』
2012年07月18日発売
ALBUM
SEKAI NO OWARI ENTERTAINMENT
生まれてくる命と失われていく命、重いのはどちらだろう? 傷つけることと傷つけられること、本当に辛いのはどちらだろう? 何かを守るための平和と何かを手に入れるための戦争、正しいのはどちらだろう? 答えの出ない問いのまわりを、ぐるぐると回り続けることでSEKAI NO OWARIのポップミュージックは成立している。というか、そのどっちともとれるものだらけの世界で、「愛する」ということの可能性をひたすらに考え続け、信じ続けることが、SEKAI NO OWARIの至上命題となっている。《僕たちは何を忘れてる?/あ、そうだ「LOVE」はどこ?》(“Love the warz”訳詞)――シングル曲9曲がずらりと並んだこのアルバムから浮かび上がってくるのは、その点においてまったくブレていないセカオワの核の部分だ。むしろ、そのテーマ性はアルバムになることで一層強まっているといっていい。そんなアルバムを、彼らは『ENTERTAINMENT』と名付けた。この言葉、もちろん「娯楽」の意味だが、その語源は「(心の)内側に持っている」という意味のラテン語らしい。これはまごうかたなき、セカオワの「エンターテインメント」だ。(小川智宏)
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