これなら支持できる

ジャー・ウォブル&キース・レヴィン『イン&ヤン』
2012年11月17日発売
ALBUM
ジャー・ウォブル&キース・レヴィン イン&ヤン
言わずもがな、PiLのオリジナル・ギタリストとベーシスト。彼らが脱退して以降の作品を厳しく評価する者がいる事実からも分かる通り、その独創的なプレイは初期PiLの強烈な個性を担い、後続に巨大な影響を与え、時にはライドン以上に高く評価されている。ただ、今になって2人がタッグを組み、PiLの初期曲をライヴで演り始めたと聞いた時、最初は微妙な気持ちになった。21世紀のドアーズあたりから、バンドに貢献した周辺メンバーが集まって、中心人物不在のまま過去の再現を試みる行為が「意外にアリ」という空気が浸透した昨今だが、先鋭性こそ肝のPiLでそれをやられるのは、やはり反射的に抵抗感が先に立ったのだ。

しかし、こうしてオリジナル新作が出来たとなると話は少し違う。ここでは例のフリーキーなギターと野太いベースが、きちんと現在形で提示されていると思うし、ライヴのように偽ライドンを連れてきたりはせず、ウォブル自身が頑張って歌ってるのにも好感が持てた。もちろんライドンに比べたら個性不足は否めないが、ワイヤーのコリン・ニューマンっぽい声質にも助けられ、意外としっくりきて悪くない。(鈴木喜之)
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