元々メインストリームのポップ・ミュージックに対して熱心なクリスらしく、楽曲のレベルはもはやグラミー級だといっていい。いつかどこかの有名なスターがクリスの曲を歌い出してもマジでおかしくないと思う。ジャンル云々も時代性も飛び越えたサウンド・スタイルは、ノスタルジックで可愛らしくて、ちょっとひねりを加えることで独創的に変貌を遂げたものばかり。“カモン・アイリーン”ばりのサックスが鳴り響いたり、ジェイムス・テイラーみたいなフォーキーさが見えたり。そうしたレトロなテイストを、クリスの歌い手としての天性が、モダンでありながら普遍的なものへと纏め上げている。ガールズのツアーをモチーフに、しかし極めてパーソナルな愛の始まりと終わりが美しく焼き付けられている。ガールズではできなかったこと、クリスの野心や果たせなかった夢が舞う箱庭のユートピア。 (羽鳥麻美)
ただ歌い続けるために
クリストファー・オウエンス『リサンドレ』
2013年01月09日発売
2013年01月09日発売
ALBUM
元々メインストリームのポップ・ミュージックに対して熱心なクリスらしく、楽曲のレベルはもはやグラミー級だといっていい。いつかどこかの有名なスターがクリスの曲を歌い出してもマジでおかしくないと思う。ジャンル云々も時代性も飛び越えたサウンド・スタイルは、ノスタルジックで可愛らしくて、ちょっとひねりを加えることで独創的に変貌を遂げたものばかり。“カモン・アイリーン”ばりのサックスが鳴り響いたり、ジェイムス・テイラーみたいなフォーキーさが見えたり。そうしたレトロなテイストを、クリスの歌い手としての天性が、モダンでありながら普遍的なものへと纏め上げている。ガールズのツアーをモチーフに、しかし極めてパーソナルな愛の始まりと終わりが美しく焼き付けられている。ガールズではできなかったこと、クリスの野心や果たせなかった夢が舞う箱庭のユートピア。 (羽鳥麻美)
