ホラーズ、テーム・インパラらが堅調に守り立てている昨今のサイケ・シーンだが、アメリカも忘れてもらっちゃ困ります!ーーというわけではないだろうが、00年代から古典的なUSサイケデリック・サウンド(ストゥージズ、スーサイドが最大の影響だろう)の狼煙をあげ、作品ごとにカルトな支持を広げてきたのがこの4人組。しかも、もともとはサン・フランシスコが拠点というのも60年代マニア泣かせのバンドです。
スリル・ジョッキーからの2枚目となる本作、ツェッペリン『Ⅲ』をもじった(輸入盤の)ジャケにまず目を奪われずにいられない。ただ蓋を開ければ本質は揺らいでおらず、ファズがうなるミニマルなスペース・ロックは健在なのでファンの方はご安心を。頼もしいことにバンドとしてのトータルなグルーヴは力強さを増しているし、アコギをフィーチャーしたメロディックな楽曲はポップ・アピール度が高く、マジー・スターやブライアン・ジョーンズタウン・マサカーといったサイケ・アンダーグラウンドからのクロスオーヴァー組をも想起させる出来。爆音だけではないリリカルなニュアンスの萌芽は、より多くの人間に向けてこのバンドを開いていくはずだ。(坂本麻里子)