9mm Parabellum Bullet 最新作をひもとくソロインタヴュー×4!(4)
かみじょうちひろ なにも決めてないです(笑)。人生って予想とか自分の価値観を凌駕するようなことが起こったりするもんじゃないですか
――今回、こういう作り方にした動機は何なの?
かみじょうちひろ(Dr) 俺だけが判断したわけではないですけど、みんなそれなりに曲書けるから、「やって、それでも9mmならかっこいいんじゃん」みたいなのがあるとは思いますね。とりあえず作ってみて、アルバムになり得るかとか商品化するレベルになり得るかとか、そういった部分を全部クリアしたものなので。ちゃんと需要があればいいなあと思いますけどね。
――じゃあ作ってる最中に「1枚のアルバムとして成立しないなあ。やっぱやめよう」っていう可能性もあったの?
かみじょう アルバムとしてというより、俺は滝ほど理論的にも音楽的にもわかってないので、たとえば“Kaleidoscope”とか曲書きましたけども「メロがぶつかってる」とかそういう細々としたやり取りはいっぱいありましたね。そういう「やすりがけ」というか、視聴に堪えうるものにして、全曲形になったのでいいんじゃないかと。
――和彦はわりと早いうちから曲を書いてたけど、かみじょうくんにとっては相当なトライアルだったと思うんだよね。
かみじょう 前回の“Mad Pierrot”がわりと評価いただけたので、「俺、意外とイケんじゃん!」と思って書いてみたりしましたけど。2007年にデビューして今年で10年目で、滝が書いてきた曲の世界観と卓郎が書いてきた歌詞の世界観からあまりにも逸脱するとファンが離れるだろうなみたいな。だから正直、滝と卓郎が書いてるんじゃないっていう観点で、ふたりに則って書けばいいのか、俺しか書けないものを書けばいいのかの手探り感はすごいありましたね。実際、逸脱してみたらNGとかありましたよ。
――でも、今回は素晴らしいまとまり方をしているなと思うけどね。9mmとしてもおいしく感じるし、個人を味わうっていう意味でもおいしく感じられるバランスになってる。
かみじょう 滝が弾くであろう、卓郎が歌うであろう、和彦が弾くであろうみたいなのは考えながら作曲するので、嫌でも寄りますよ。
――かみじょうくんの曲って、シャッフルではないけど、シャッフル感は意外と多いなあっていう印象があるんだよ。
かみじょう 俺の曲って展開がどんどん変わるんですよ。理由は簡単で、リフが名前の通りずーっとリフレインしてる曲って、あんまり自分の嗜好的におもしろくないんですね。すぐ飽きちゃうのでコロコロ表情が変わってほしいタイプなので。ただ、聴くのとやるのとじゃ全然違うじゃないですか。俺、普段バンド聴かないですからね。テクノとかばっかり聴いたりしてるので。演奏するとなるとこっちのほうが楽しいなとか。
――そういうのが出てるんだなあ。例えば、和彦の書く曲って全部ロックンロールなんだよね。そう考えると、かみじょうくんってロックンロールバンドの曲っていうより、どっちかというとニコ動でボカロの曲を聴いてる時に感じるタイム感とか、精神分裂感みたいなものに近い感じがある。
かみじょう 精神分裂感!? 俺、そんなにサイコでもないんですけど(笑)。
――あっちこっちに飛びまくる部分がね。和彦は1個のエモーションをループしながら極めていく感じがあるじゃん。
かみじょう あいつはあいつの価値観があるみたいだからいいじゃないですか。そして、和彦がああいう曲を書くから「別に俺はそこいらねえだろ」って思ったりするので。
――こういう話が9mmのアルバムでできるって画期的だと思わない?
かみじょう でも、俺が9mmのファンだったら、滝の曲聴きたいと思いますからね、普通に。
――なんだよ(笑)!
かみじょう いやいや(笑)、普通にそう思いますよ。っていう、冷静な部分もちゃんとありつつ、自分もやりたい世界があって、どこまでそれを表現して――そこからめっちゃ出るのか、ちょっと被ってるのかとか難しいなあと思いますね。
――今回こういう形でレコーディングしてどうでした? 基本的に自分で書いた曲は自分が指揮をとるんでしょ?
かみじょう 9割5分ぐらい作った人です。和彦と滝はデモをすでにバンドサウンドで作ってくるからそんなに遜色ないんですけど、俺と卓郎はギターの音とか使っちゃいますけど、自分で弾いてる感じではないので「ここは歪ませるべきなのか」とか「何かけりゃいいんだ」とか「ストロークはミュートしたほうがいいんじゃねーか」とかそういったちっちゃな差は出てくるので、デモがプリプロ音源とかになった時だと結構表情が変わったりしますね。
――じゃあデモを並べて聴くと、「うわっ、これかみじょうくん以外の何者でもないな」みたいなのがごちゃ~っとなってるものだったんだね。
かみじょう 今、俺のやつ聴くとゲーム音楽みたいになってますもん(笑)。
――ってことは、9mmサウンドっていうか、バンドのオリジナリティはすごいってことだね。
かみじょう おもしろいもんですね。
――これから9mmはこのやり方でやっていくんですか?
かみじょう なにも決めてないです(笑)。人生って予想とか自分の価値観を凌駕するようなことが起こったりするもんじゃないですか。親が「大学行きなさい」「公務員になりなさい」って、それに乗るのってクソつまんないじゃないですか――ってな感じです。
ミュージックビデオ
リリース情報
『Waltz on Life Line』
発売中
初回限定盤(CD+DVD):COZP-1155~6 ¥3,800+税
通常盤(CD):COCP-39538 ¥2,800+税
アナログ盤:COJA-9304¥3,800+税(初回生産限定)
2. Lost!! / Words:菅原卓郎 Music:滝 善充
3.湖 / Words:菅原卓郎 Music:中村和彦
4. Mad Pierrot / Words&Music:かみじょうちひろ
5.反逆のマーチ / Words:菅原卓郎 Music:滝 善充
6.ロンリーボーイ / Words:菅原卓郎 Music:中村和彦
7.Kaleidoscope / Words&Music:かみじょうちひろ
8. Lady Rainy / Words & Music:菅原卓郎
9.ダークホース / Words:菅原卓郎 Music:中村和彦
10.誰も知らない / Words&Music:菅原卓郎
11.火祭り / Words&Music:かみじょうちひろ
12.モーニングべル / Words:菅原卓郎 Music:滝 善充
13.迷宮のリビングデッド / Words&Music:中村和彦
14.スタンドバイミー / Words:菅原卓郎 Music:滝 善充
15.太陽が欲しいだけ / Words:菅原卓郎 Music:滝 善充
1. 荒地
2. Invitation
3. Mr.Suicide
4. Mad Pierrot
5. 黒い森の旅人
6. Trigger
7. Mr.Brainbuster
8. 悪いクスリ
9. 反逆のマーチ
10. Punishment
――ゲリラライブat TOWER RECORDS SHIBUYA 2015.09.09
ライヴ情報
「9mm Parabellum Bullet LIVE 2016 “Waltz on Life Line” at 日比谷野外大音楽堂」
2016年6月19日(日)日比谷野外音楽堂
「9mm Parabellum Bullet TOUR 2016 “太陽が欲しいだけ”」
2016年6月24日(金) 酒田 MUSIC FACTORY (山形)
2016年6月26日(日) 青森 Quarter (青森)
2016年7月9日(土) 長野 CLUB JUNKBOX (長野)
2016年7月10日(日) 富山 MAIRO (富山)
2016年7月12日(火) 京都 磔磔 (京都)
2016年7月13日(水) 松阪 M’AXA (三重)
2016年9月18日(日) 熊本 B.9V1 (熊本)
2016年9月19日(月・祝) 福岡 DRUM LOGOS (福岡)
2016年9月21日(水) 松山 W studio RED (愛媛)
2016年9月22日(木・祝) 高松 オリーブホール (香川)
2016年9月30日(金) 広島 CLUB QUATTRO (広島)
2016年10月2日(日) 米子 AZTiC laughs (鳥取)
2016年10月8日(土) Zepp Sapporo (北海道)
2016年10月10日(月・祝) Zepp Tokyo (東京)
2016年10月16日(日) Zepp Nagoya (愛知)
2016年10月22日(土) 仙台 PIT (宮城)
2016年10月30日(日) Zepp Namba (大阪)
提供:NIPPON COLUMBIA CO.,LTD / TRIAD
企画・制作:RO69編集部