──ヤマモトさんの作ってきたベーシックに合わせて歌を乗せる、っていう新しいやり方にトライした時の感覚はどうでした?

カナタ 伸び伸び歌えましたね。今まではスタジオで音をドーンと皆で鳴らして、「雰囲気かっこええな」っていう作り方で、そこからブラッシュアップしていくっていう。でも今回は、(シンタロウの)ベースのフレーズがあって、「じゃあそのフレーズに対して、ギターをこう乗っけてみようか」「じゃあこう歌ってみようか」って積み重ねていったので。土台がしっかりしてるから、崩れにくいし、ひとつひとつその上にちゃんと乗せていける感じがあってので。僕も歌いやすいし、メロディもつけやすいし。すべてが自分に見える状態で作っていってるから。いつもやったら、「見えないものがかっこいい」としてたところがあったんですけど、そこに僕は「このままじゃあかんな」っていう考えがあったんですよね。で、このタイミングでしっかり音楽を作っていくっていう作業がやれたので。迷うことなくメロディもギター・フレーズも作っていけたし。

──事故もあって、状況的には「こうするしかなかった」っていうところから始まった転機ではありますけど、結果的にそれがバンド全体の進化につながったわけですね。

ヤマモト そういう意味では、事故っていうのは転機になりましたね。それがなかったら、作り方もそうやし、今後のレゴを考える上での意識的なところもそうやし、ここまで深くは考えられなかったと思いますね。

──制作手法の変化を経て、2014年に入ってからは1月に"Wait?"が配信リリースされて、4月30日にはシングル『RAINBOW』がリリースされるわけですが。タナカさんがレコーディングに復帰したのはいつ頃でした?

タナカ 去年の秋頃ですね。

──"Wait?"の《息はあるか 腕は動くか/明日はどうだ まだ夜は長い》っていうフレーズには、当時のシリアスな感覚が出てますよね。

タナカ あれはほんまに、「今しか書けないし、このタイミングじゃないと出せない」っていうものだし。数年後に出しても、説得力も減るでしょうし。そういう曲が1曲あってもいいかなって。"Wait?"のデモを聴かしてもらった段階で、音だけでもそういう感じは強くあったので。「唯一、このメモしてるワードたちが、赤裸々やけど合うんじゃないかな」って。

──"Wait?"の、曲の中で何回もビートが変わるリズムのアプローチは、斬新だけど大変ですよね。

アサカワ そうですね。最初は打ち込みの状態でもらって、それを生に差し替えてみようかっていう感じだったんですけど。僕からしても、もともと人間業じゃない打ち込みをどう叩いていくかっていうのがすごい面白かったので。プレイ的にも、今までと違う手の動きだったり、リズムの刻み方だったり、収穫になりましたね。レコーディングの仕方も、前のアルバムとか、昔のやり方とかとは全然違う感じで。音色も変わったし。抑えるところは抑える、出すところは出す、っていう部分で、すごく勉強になりました。力を抜いて、楽しんでレコーディングできたっていうのは大きかったですね。

──そうやってどんどん新しいアレンジやサウンドの中に飛び込んでいくことの恐れはなかった?

ヤマモト 新しいことをやる上での恐れはなかったですね。むしろ今やからこそ、やりたいものを全部やっておきたい、音にしておきたい、っていう気持ちのほうが大きかったですね。この時はほんまに、そろそろレコーディングし始めて、ヒロキがライヴでプレイするっていう希望がだんだん見え始めた頃やったんで。それに向けて、しっかり音を落とし込んでいく作業だったんで。"Wait?"とかは、ライヴをすごく意識してたし。「こういうイントロから始まったらアガるでしょ」って。"LAIKA"もそうですね。始めはヒロキの復活のSEみたいな感じで考えてたんですけど、キンタが「これは歌にしたほうが絶対に良い」って言ってくれて。「次にステージに立つ時」を意識した曲が、この辺は多いと思いますね。

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