ラブリーサマーちゃん、最新EPを生んだ情熱、そして「責任」を語る

ラブリーサマーちゃん、最新EPを生んだ情熱、そして「責任」を語る

この産みの苦しみがなかなかしんどい(笑)


――今回のEPは現時点でのラブリーサマーちゃんの最高傑作じゃないですか? 前作から大分成長した印象も受けます。

「ありがとうございます。嬉しいです。当初はあまり満足いかなくて。でも、どうやったら自分の納得できるものにできるかを考えに考え抜いて。周りの人も沢山力を貸してくれたので、最終的には満足いく作品になりました」

――やっぱり制作のプロセスにおいては、浮き沈みというか自信がある時もあればない時もあるって感じですか?

「私が辛くて苦しいのを理解してください、みたいなのは押し付けみたいですごく嫌なんですけどね(笑)。自分の作った曲を『いいじゃんこれ』って思える時がやっぱりすごく幸せで。デモを作り終えた時にその幸せのピークがパーっとくるんですけど、そこからはずーっと下降し続けていくんです。ディレクターに曲を送って『いいな』とかって反応をもらうとまた上がるけど、レコーディングで自分の曲のミスとか粗に向き合う時がとてつもないストレスなんですよね。もちろん『最高』って瞬間もあるんですけど。その頃には最初とは打って変わって『これは産廃だな』とかいう心境になっちゃってる。制作の過程が全部終われば『作ってよかったな』って思える瞬間はそのあとに必ずくるんですけど、この産みの苦しみがなかなかしんどい(笑)」

私がやるべきことって一体何なんだろうってずっと考えている

―― “FLY FLY FLY”には《自棄になった訳じゃない/諦めなんかじゃない/僕が選んだんだ/飛んでやりたいんだ》という歌詞があるじゃないですか。自分自身に人生のグリップを戻すような、他人のいいなりにはならないぞっていうこれまでにない強い意志が感じられます。

「私がやるべきことって一体何なんだろうなぁってことはずっと考えていて。だから、この歌詞には今いる場所への嫌気みたいなものが出てると思うんです。いろんなことへの責任をかなぐり捨てたら何ができるかなって。“海を見に行こう”には《街を歩いたら働く人ばかり》って歌詞があるんですけど、今年の1月に水族館に行った時にシャチのショーを見たんですよ。どう猛で人間より確実に強いはずのシャチが芸をして餌をもらってるのを見て、シャチですらタイム制で働いていることに驚いてしまって。それに比べて私は……ってなったんです(笑)」

――いや、わかりますよ。学生時代に就職活動をする時に同じこと思いました。働いている疲れたおじさんの顔とかを電車で見て「みんな働いてんだなぁ」って感心して。でも、そんな当たり前のことに戸惑ってる自分にも戸惑いません?

「そうなんですよね。就活を『なんでだろう?』とか別に疑問に思わずに淡々とやって働き始める人がほとんどなわけで。マイナスな意味じゃなくて、なんで私はこうなったんだろうなぁって不思議に思うこともあるんですよね、やっぱり」

――そういう意味でいうと、このEPはそういう今の自分自身の状況に対する葛藤から本当の意味で自由になった過程が描かれていると言ってもいい?

「自分を縛っているものが何かっていうことを『これが原因です』って言うのはすごく難しいことだと思うんですけど、確実に『えいや! やっちゃえ!』って思わなくさせているものは沢山あるなと思って。私、結構、堂々巡りをしちゃう性格なんです。自分の中にAとBの両極端な二者がいて、お互いに違う意見をぶつけ合って、ずっと答えが出ずに同じ議論を延々と続けている。
例えば、そもそも音楽で認められてCDを出してるってこと自体が不思議なんですよね。特別センスがあるわけでもないし、小さい時から音楽バカでしたってわけでもなく。高校生ですからね、ちゃんと音楽をやり始めたのは。音楽をやっている自分が一番しっくりくる自分かって言われたら、そういうわけでもないんです。
美容院で美容師さんに『何やってるんですか?』って訊かれても素直に『音楽です』って答えることができなくて。音楽をやってる人は私みたいに髪ボサボサじゃなくて、綺麗でちゃんとした身なりをしてて痩せててセンスありますみたいな人じゃないとダメだ!とか思っちゃうんです。でも、結局話をしてると音楽に話が行き着いちゃうので、小声で『音楽やってます』って言うんですけど(笑)」

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