武道館2デイズを含む、過去最大規模のツアーを終えた直後に発表された、新曲“Lemon”。
米津玄師にとって初のドラマのタイアップ曲であり、なんと「歌謡曲」に初挑戦した楽曲である。配信のみの時点で記録的なダウンロード数を記録し、これまでの米津玄師のシングルとは違うスケール感で売れている。
「死」を真正面から捉えたこの曲がここまで多くの人に届き受け入れられたのは、日本の音楽シーンにおける米津玄師というアーティストの独自のキャラクターと説得力の証であり、それ以上に、この曲が持つとんでもない力を物語っている。
2月28日発売の『ROCKIN’ON JAPAN』では、今作の制作や手応えが赤裸々に語られている。その中から発言の一部をお届けする。
インタビュー=山崎洋一郎
(『BOOTLEG』を)作り終わった瞬間は不安だったんだと思うんですね。確かに「ものすごいものを作ってる」って実感しながら作ってたんですけど、できあがって、もうこれ以上直すことはできませんって状態になった瞬間、果たしてこれは美しかったんだろうかって。「今、自分はものすごく美しい音楽を作ることができる」っていう自負と、「果たしてあれで足りていたのかどうか」っていう不安との板挟みになって、(“Lemon”の制作をし始めた時は)「とりあえず手を止めていたくない」っていう状態になったんだと思います
ドラマが死を扱う内容だから、ある種のレクイエムというか、「死者を慰めるような歌を作ろう」と思って、ワンコーラスだけバッと書いたら不思議なことに自分のじいちゃんが死んだんですよ。ほんとに突然。人の死を扱っているところに、それがいきなり実態となって自分のみぞおちにぶつかる瞬間があって。「自分が死ぬ」「人が死ぬ」みたいなことを、音楽を作るうえでいろんな瞬間に意識しながらやってきたつもりではいたんだけども、目に見えるものとして急に現れた時に死生観みたいなものがゼロに戻っちゃって。そっからまた曲を作り始めて、結果、でき上ってみれば「個人的にあなたが死んで悲しいです」って4分間かけてずっと言ってる曲になって。自分としてはものすごく美しいものを作った気持ちではいるんですけど、でもどっかでこれで良かったのかなって
『BOOTLEG』作り終わった瞬間から歌謡曲がマイブームになってて。それもあって、(歌謡曲のようなものを)作りたくなったと思うんですけど。その時期は中島みゆき、ユーミン(松任谷由実)、吉田拓郎、小田和正とか、その世代の人たちの歌謡曲を延々聴いてて。それは自分の中にないものを探すためでもあって。日本のポップソングを作り上げてきた人たちじゃないですか。その中に何があるんだと、ある種勉強みたいに聴いて。そこに(“Lemon”を)「作って下さい」って話が来たんで、そこは色濃く反映されていると思う
続きは2018年2月28日(水)発売の『ROCKIN’ON JAPAN』4月号で!
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