FLOWER FLOWER、2年ぶりの3rdアルバム『ターゲット』で飛躍的に自由になる

FLOWER FLOWER、2年ぶりの3rdアルバム『ターゲット』で飛躍的に自由になる

「できるかな?」って言ったことができたアルバムなんです。結構奇跡が詰まってますね(yui)


――2年ぶりのアルバム『ターゲット』、すごく自由でバラエティに富んだアルバムですね。まず驚いたのが、odolのミゾベリョウさんをフィーチャリングした曲が2曲あって。デュエットは初めてですよね。

yui(Vo・G) そうですね。YUI時代からも初めてです。

mura☆jun(Key) 急に「デュエットにしたい」って言ってたよね?

mafumafu(B) はじめ「歌える?」って訊かれて。

mura☆jun そう、mafumafuが。

mafumafu 「歌ってみて! 『あ~!』って言ってみて」って言われて、「あ~!」って言ったら、「ふーん」みたいなこと言われて(笑)。

mura☆jun オーディションに落ちた(笑)。

mafumafu こりゃ違うなみたいな。

yui 結構探したんですよ(笑)。ちょっと低めで、ちょっとダンディーで、洋楽っぽいメロディ歌える人いないかなって思って、いろんな人の声聞いたりして。

――ミゾベさんは、相鉄線都心直通のCMムービーでコラボしたのがきっかけですか?

yui そうなんです。その時はお会いしてなくて。今回「いい声の人いないかな?」って思った時に、相鉄線の曲を思い出して、「来てくれないかな?」って言ってたら来てくれることになって。

──デュエットの発想が出てきたのはどうしてだったんですか?

yui 特に洋楽で、フィーチャリングの曲で好きな曲が多くて。チェインスモーカーズの曲で男性と女性の声が混じったすごい好きな曲があって。それがすごくきれいだなって。で、こういうことやってみたいなっていうのがずっと頭の片隅にあって。「できるかな?」って言ったら、「できるかも」ってなって。今回、「できるかな?」って言ったことが結構できたアルバムなんですよね。最後マスタリングを「テッド・ジェンセンにお願いできるかな?」って言ったらできることになって。結構奇跡が詰まってますね。

sacchan(Dr) 〆切が結構やばかったんですけど。

yui うん。あと一週間みたいなところでできたので。これ以上ないんじゃないかっていうぐらいで。

mura☆jun 最初“ふたり”をデュエットイメージがあるって言ってて、デモで男性パートを入れて。

yui それで1曲だけだともったいないなって。せっかくだから2曲歌ってほしいなって思って。“ふたり”の方は声が目立つというよりは馴染むって感じだったので、“熱いアイツ”はもう少し声の特性を活かしたようなイメージにしましたね。

sacchan 全然違う2曲だもんね。

yui うん。アルバムのレパートリーの色が増えた感じがしますね。

(“熱いアイツ”は)セッションですぐできちゃって、でも2年くらい寝かせてて。前のアルバムの時にはできてたんですけど、今回のアルバムに入ることですごく化けた(mafumafu)


――“ふたり”の歌詞は割とストレートな男女のラブソングのデュエット曲という印象です。

yui 初めてレコーディングでボーカルディレクションみたいなことをやったので緊張しました。ミゾベさんは2曲を1日で歌ってくれたので疲れたんじゃないかな(笑)。人にディレクションするのはやっぱ難しいんだなって。なんて言ったらいいんだろうとか悩みましたね。私は歌で「ラララ」で、「こういう感じ」とか伝えられたからいいんですけど、歌わない人は大変だろうなとか(笑)。

――音楽性は、艶っぽいエレクトロソウルみたいな。

sacchan そうですよね。俺は勝手にUKソウルみたいなイメージでやってて。ひんやりしたところがありつつ、情熱的なところをリズムで狙えればなって思って打ち込みを入れてみたりしたんですけど。

──一方、“熱いアイツ”はファンキーなギターカッティングから中華っぽいテイストもあるファンク。どんなアイツなのかと思ったら、小籠包がものすごく食べたいという曲で(笑)。

yui (笑)。「おもしろい歌詞書きたいんだよね」って結構前から言ってて。「小籠包のこと書いたらいいんじゃないか」って言ったら、sacchanが「『じゃあ生姜がない』と『しょうがない』をかけたらいいんじゃない?」って。それを完全に使わせてもらってます(笑)。《小籠包食べたい》っていう歌詞以外は、恋人との曲なのかなって思ったりもするし。

sacchan 僕はそう思った。心の中で僕はラブソングじゃないじゃないのかなって勝手に思ってて。

──3rdアルバムにして、こういう遊び心に振り切った曲が聴けたことにもすごくワクワクしました。

mafumafu これもセッションですぐできちゃって、でも2年くらい寝かせてて。前のアルバムの時にはできてたんですけど、今回のアルバムに入ることですごく化けたというか。

yui ミゾベさんのバンドのodolの曲はかっこいい曲調だったので、「この曲歌ってくれるかな」って心配したんですけど。歌詞は完全に私のいたずら心で。ミゾベさんにこんな言葉を歌わせたいっていう気持ちが強くて(笑)。いい意味で裏切られた感というか。それまでいい歌詞があったはずなのに、なんでサビで小籠包なの?みたいな感じとか。ミゾベさんとはすごく話しやすくて。福岡の同郷なので、福岡話で盛り上がったりしましたね。

次のページ(“浄化”は)腱鞘炎まっしぐらみたいな(笑)。でも、こういう呆気にとられるような曲があってもおもしろいかなって
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