【インタビュー】シネマチックサウンドを彩るVTuber2人組ボーカルユニット、Nornis。最新作『salvia』について、響き合うボーカリゼーションがすごい戌亥とこ、町田ちまへインタビュー

【インタビュー】シネマチックサウンドを彩るVTuber2人組ボーカルユニット、Nornis。最新作『salvia』について、響き合うボーカリゼーションがすごい戌亥とこ、町田ちまへインタビュー

“Ray of Hope”は絶望から強さや希望へと歌の表情を変えていく曲。パンデミックで辛い状況が続いていた中で、「諦めないで希望を見出してほしい」という気持ちも入ってます(戌亥)

――2曲目“White Blossom - Duet ver.”は待望の音源化ですね。ふたりのハーモニーが絶妙に絡み合う、高難度曲で。

戌亥 “White Blossom - Duet ver.”は、Nornisの楽曲の掛け合いの中でも、高音と低音の差がいちばん激しい曲なので、迫力がありますね。デビュー曲“Abyssal Zone”を書いてくださった夢見クジラさんによる曲なので、初心に戻れる感じもありつつ、“Abyssal Zone”とは違ったドラマチックさもあり。真冬の景色が思い浮かぶ曲なので、真冬に聴いてほしい曲です。

町田 聴いていると、吹雪の中に立たされている気分になる曲で。出だしから緊張感がすごくて、最初は《しんしんと 降り積もった》って静かに始まるんですが、だんだん雪が強くなって、高音と低音の掛け合いが入り乱れていって。1stライブでお披露目して以来、リスナーさんから「早く音源化してほしい」と言われていた曲なので、やっとこの『salvia』で出せて嬉しいです。

――3曲目の“Fragment - Duet ver.”は、メロウに展開するドラマチックなナンバーで。春にリリースされた人気曲のデュエットバージョンですね。

戌亥 Nornisとしては少し珍しいタイプの楽曲で。ロックに感情を込めて暴れるのではなく、春のように包み込んでくれるあったかくて優しい曲になっています。

町田 レコーディングのときは、とにかく「優しく歌う」ということと、とこちゃんに合わせて一体感を生み出すことをこの曲では特に意識しましたね。

――4曲目“Ray of Hope”は、Nornisらしい世界観の大きなナンバーで、伸びやかなボーカルに胸を突き刺されました。

町田 2サビ後のCメロの掛け合いから、ずっとふたりのどちらかが歌ってるパートが続いて、緊張感を保ちながら最後に爆発するという(笑)。高揚感がある曲なので、ぜひ聴いてほしいです。

戌亥 この曲の掛け合いは、高音と低音の差があった“White Blossom - Duet ver.”と違ってふたりとも高音で、空気が張り詰めたような曲になっていて。全体を通して、絶望から強さや希望へと歌の表情を変えていくような曲になっていますね。この曲はパニックホラーマンガ『監禁区域レベルX』のタイアップ楽曲で、作品の世界観に合致したものになってるんですけど、パンデミックで辛い状況が何年も続いていたご時世において、「諦めないで希望を見出してほしい」という気持ちも入っていて。いろんな状況にいる皆さんに届くといいなと思っています。

アニメ『マクロスΔ』のライブでJUNNAさんを初めて知って、ひときわ輝いて見えて。「自分もこんなふうにいろんな人に感動を届けられるようになりたい」と思って、歌の活動を始めました(町田)

――この『salvia』を生み出すに至ったふたりそれぞれの音楽的背景、ルーツを伺いたくて。好きなアーティスト、影響を受けたシンガーを教えてください。

戌亥 いろんなアーティストを幅広く聴いているんですけど、その中でも継続して楽曲を聴き漁っていたのは阿部真央さんと三浦大知さんですね。感情むき出しで、しかもその感情がひとつだけではなく優しかったり激しかったり、見事に表現されていて。

――阿部真央さんはどのあたりの曲がお好きなんですか?

戌亥 ありすぎて悩みます(笑)。楽曲によってコンセプトや空気感がガラッと変わる方なので、「今日はこの曲の気分」みたいな感じで聴くので……あえて言うなら、『ポっぷ』というアルバムに収録された“未だ”という楽曲ですね。「聴こう」と思って聴く、というより、ふと思い出す曲なので、自分の根底にある好きな曲だと思います。

――ちまさんはどうですか?

町田 JUNNAさんが大好きです。アニメ『マクロスΔ』のライブで初めて知って、「なんて歌のうまい方なんだ」と思って。皆さん歌がお上手だったんですけど、ひときわ輝いて見える人がいて、それがJUNNAさんでした。まだお若いのにすごく大きなステージで堂々と歌っているのがかっこよくて。「自分もこんなふうにステージに立って、いろんな人に感動を届けられるようになりたい」と思って、歌の活動を始めたんです。あとは、手嶌葵さんもずっと好きですね。元々ジブリのアニメ作品や楽曲が大好きなので、手嶌葵さんのあの声質に惹かれて。コンサートも行ったんですけど、ずっとふわふわした天使のような声で、トークもあのままなんですよ。優しく歌う方法は、手嶌さんから学んでますね。

――ああ、なるほど。歌のやわらかなタッチ感は、ちまさんの歌声に通じるところがありますね。最後に、Nornisの今後の目標やユニットとしての具体的な夢を教えていただきたいです。

町田 地方の方とか学生の方とか、ライブに行きたくても遠くて行けないという方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、そんな方にもぜひ生のライブを観ていただきたくて、全国各地でライブをしたいと思っています。

戌亥 Nornisの発足当初から言っていたことなんですけど、「VTuberを知らない音楽が好きな方にもNornisを知ってほしい」という思いをずっと持ちながら活動を続けていて。全国でライブがしたいですし、わたしたちVTuberには映像という強みがあるので、言語が異なる日本以外の方にも知ってほしいなと思っています。

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