BUMP OF CHICKEN @ 幕張メッセ

なんと強風のため電車が運休! 乗換駅の新木場の駅の構内は騒然としている。すかさずケータイでオフィシャルサイトを覗くと開演時間を遅らせるとのお知らせが出ている。すでに会場に着いているスタッフに連絡すると、場内は大きく混乱することなくみんなひたすらスタートを待っているようだ。でもまだ多くの人は会場に辿り着いていない。バンプ・オブ・チキンのアリーナ・ツアー『ホームシップ衛星』の初日・幕張メッセ公演は波乱の幕開けだ。

巨大なLEDスクリーンがある以外はシンプルなセット。ただ、当たり前だが、こないだまでのライブハウス・ツアーとはステージも客席も桁違いにデカさが違う。でも、客席の熱さはほぼ同じ。1時間遅れでスタート。最初から『orbital period』の曲を畳み掛けてくる。“メーデー”も“才悩人応援歌”もライヴごとにどんどん強力になってきている。新しい曲もそうでない曲も、演奏力が明らかにアップしているし、曲の解釈もどんどん濃厚になってきている気がする。升の曲への入り込み方はこれまでとは違う。“時空かくれんぼ”の歌詞を「会いに行かなきゃ」から「出会えてよかった」に変えて歌っていたのは、この日の藤原の思いの強さだろう。そして“花の名”は本当にすごかった。演奏の迫力も藤原の歌の熱もすごかったが、観客の歌う声も思いの波動もすべてが集まって“花の名”という曲を作り上げていくような感じは、まさにライヴならではとしか言いようがない。藤原はまたここでも「歌」という歌詞を「声」に変えていた。素直な気持ちなのだろう。ここで藤原は「ほんとに来てくれてありがとう」と言った。

“arrows”のアコースティック・ギターのフィンガリングがすばらしい。 そして“飴玉の唄”での〈僕はやだよ 君がいいよ 離れたくないな〉の部分の、ほとんど話し言葉のような切羽詰った絶唱は、息を呑むほどだった。本気で語りかけてくる今のバンプの歌の本質が赤裸々にあらわになった瞬間だった。声が裏返っても構っちゃいられねえ、ぐらいの気迫の藤原。 本編が終わってチャマがカメラマンとなってステージ上で記念撮影。

そしてアンコールは―――。 「自分たちのことを客観的に見れない気持ちの悪いバンドなんだけど、だからどの曲が人気があるとかよく知らないんだけど、だけどこの曲は人気があるということを聞いてます」みたいなことを藤原が言って始まったのは“K”!! ライヴでこの曲を聴くのはずいぶん久しぶりな気がする。大変な思いをして辿り着いて、1時間も待ったお客さんの気持ちに応えた、ちょっと特別な夜だったのかもしれない。

ホームシップ衛星は、これからあなたの街に接近していきます。ロッキング・オンJAPANでも、ツアーの詳細レポートを予定していますのでよろしく。(山崎洋一郎)
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