でんぱ組.inc×サンボマスター@Zepp Tokyo

北陸新幹線沿線都市をめぐる、でんぱ組.inc魂の対バン六番勝負、「かがやきツアー2015」。RO69では全場所完全網羅レポート!ということで、SiM、神聖かまってちゃん、ストレイテナー、中川翔子、9mm Parabellum Bulletを迎えて各地でガチンコ・ツーマンを繰り広げる様子をお伝えしてきたが、ツアーもいよいよファイナル! 8月6日のZepp Tokyo、まずはサンボマスターの3人が、お馴染みゴダイゴの“Monkey Magic”のSEで登場した。

でんぱ組.inc×サンボマスター@Zepp Tokyo
山口隆(Vo・G)が煽るより先に気合い十分のオーディエンスが「オイッ! オイッ!」と声を上げるが、「ビビッてんじゃねーぞ、コノヤロー!サンボマスターです!」とまだまだこんなもんじゃねえとばかりにご挨拶。しかし「あの、ほんとに今日はですね、でんぱ組.incの皆さんに呼んでいただきまして、ありがとうございます。このギュウギュウなZeppが、でんぱ組.incの皆さんのおかげでかがやくわけですよ。思う存分かがやいてくださいよ。だからここではかがやかなくていいわけですよ」と笑わせる。「あんたら、色々と考えて生きてきてんだろ? あの天使のような可愛い皆さんに会う前によ、ここでは全部吐き出して帰ってくださいよ。てめえらかかってこいよ! 吐き出しちまえー!」と続け、会場のボルテージを一気に上昇させる。

その熱気のまま1曲目の“ミラクルをキミとおこしたいんです”へ突入すると、1階から2階席の後ろまで、凄まじい盛り上がりに。2曲目の“世界をかえさせておくれよ”では《妄想恋愛男子 oh yeah!》《妄想恋愛女子 oh yeah!》なんてフレーズもオーディエンスを燃え上がらせていく。妄想男子のロックンロールは、オタク女子たちによるアイドルグループと根っこは繋がってるんじゃないかと思う。だって、どっちも音楽に向き合う姿は必死なんだもの。押し寄せるビートと熱唱に、会場中が大爆発。その様に「おい木内(泰史/Dr・Cho)、この人たち、やれるんだって!」とメンバーに語りかけるなど手応えを感じたらしい山口だが、ガツガツ煽りながらも「この後かがやかなきゃいけないから、ラブ&ピースで美しいライヴをしましょう」と、みんなが怪我しないようにとライヴ中に何度も気遣っているのも印象的だった。

でんぱ組.inc×サンボマスター@Zepp Tokyo
サンボマスターの全力の演奏に、オーディエンスもフロアでもみくちゃになりながらステージに向けて必死に腕を高く掲げる。“可能性”の前には「あんたがたが誰のファンだろうとよ、音楽好きでここに集まってるだけで美しいことだと思うんだ。アイドルだろうとロックンロールだろうとよ、そんなこと関係ねえんだ。おめえの心がグワーッてなるかなんねえかだ」と語り、「俺たちと生きてくれ!」と叫ぶ山口。3人の渾身のアンサンブルが胸を打ち、まさに、グワーッとなる。

でんぱ組.inc×サンボマスター@Zepp Tokyo
後半も“世界はそれを愛と呼ぶんだぜ”、“できっこないを やらなくちゃ”と畳み掛け、音楽と観客の熱気はコテコテに混ざり合い、その光景を目に「こないだのROCK IN JAPANかと思ったよ!」と山口が嬉しそうに言う。ラストは“ロックンロール イズ ノットデッド”でドラマチックかつエモーショナルに締め、「ロックンロール! ロックンロール!」と叫ぶ山口にオーディエンスもパワフルに応え続けた。曲が終わっても大きな歓声が止まない。木内がスティックを放り投げ、近藤洋一(B・Cho)は笑顔で手を振り、山口はピースサインをしながらステージを去った。

でんぱ組.inc×サンボマスター@Zepp Tokyo
サンボマスターが生み出した凄まじい熱気は転換中も消えることなく、後攻のでんぱ組.incのライヴが、でんでんバンドのダイナミックな演奏からスタート。カラフルなサイリウムに彩られて空気が一新したフロアに、飛び跳ねるように6人が登場。「かがやきツアーへようこそ!」と、相沢梨紗がキュートに挨拶すると1曲目の“ちゅるりちゅるりら”。変幻自在のフォーメーションと個性出まくりの歌唱でリレーしながら、バンドの音圧にも、既にサンボマスターで温まりまくっているオーディエンスのパワーにも負けない、渾身のパフォーマンスで魅了する6人。彼女たちが横一列に並び、それぞれにスポットが当たると“W.W.D”へ。《みりん!りさ!ねむ!えい!もが!ピンキー!でんぱ組!》の掛け声をメンバーとオーディエンスの揺るぎない一体感で叫ぶと、彼女たちそれぞれの暗い過去が、とびきりの見せ場に変わる。《マイナスからのスタート 舐めんな!》という反逆のかがやき。《せまいステージから 世界をめざせ》なんて言葉も、今ではただの夢じゃない説得力を帯びている。

でんぱ組.inc×サンボマスター@Zepp Tokyo
続く“キラキラチューン”だって、リリースされた3年前の夏よりも、ずっとパワフルなライヴパフォーマンスを身に付けている彼女たち。でんぱ組.incがいかに特殊なキュートさと表現力を持ち合わせているかがわかる“VANDALISM”や“NEO JAPONISM”も、堂々とやり切るからこそ「もっと観たい!」と思わせる中毒性を帯びる。オーディエンスの大きな声とサイリウムの振りがキレキレにキマっていた“でんぱれーどJAPAN”を挟み、「かがやいてますか~!」と呼びかける夢眠ねむ。「サンボマスターさんの言葉を借りるならラブ&ピースだ!」と古川美鈴が言うと「生きろー!」と最上もが。

でんぱ組.inc×サンボマスター@Zepp Tokyo
後半戦に突入して長いリボンを颯爽と振り回す高難度なダンスが見どころな“でんでんぱっしょん”においても一瞬も目が離せない全力ぶり。曲の終わりには、サイリウムがすべて白に灯されて、相沢の誕生日を祝う。喜ぶ彼女を横目に、ねむが「リーダーが歳を重ねてドジが直るかと思ったら……」と言うと、「今日も間違えて横浜に行っちゃって!」と相沢が相変わらずなエピソードを披露。ラストの“おつかれサマー!”ではメンバーも観客も汗だくになってタオルを投げ合った。彼女たちが去ると、スタッフが暗がりの中、ステージの床の汗をモップみたいなもので拭っているのがわかる。まるでバレーボールの試合みたいな光景だ。

でんぱ組.inc×サンボマスター@Zepp Tokyo
みんなが爽やかな白いツアーTシャツに着替えてのアンコール。「北陸新幹線の開通を勝手にお祝いしようということで始まったこのツアーでしたが、対バンの皆さんにすごく刺激を受けました」と古川。「最後に1曲やってもいいですか?」と“Future Diver”を披露し、でんぱ組.incと観客の絆を感じさせる最高のフィナーレが訪れた。曲が終わるとサンボマスターの3人を呼び込み、記念撮影をしたり新幹線のポーズをみんなでしたりして楽しい時間は過ぎていった。彼女たちが錚々たるバンドやアーティストからたくさんの刺激をもらいながら、負けじとタフなパフォーマンスを展開できることを証明した今回のツアー。彼女たちが常に自分達の現状を変えたいと思い続けていること、その思いこそが「かがやき」の理由だってことを、多くの人にメッセージとして伝えられたのではないだろうか。意義深いツアーが最高潮の熱気で幕を下ろし、彼女たちはこの夏をまだまだ駆け抜けようとしている。(上野三樹)
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