ザ・クークス @ リキッドルーム恵比寿

ザ・クークス @ リキッドルーム恵比寿 - ザ・クークスザ・クークス
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2006年のデビュー作『インサイド・イン/インサイド・アウト』が全世界で200万枚という驚異的なセールスを記録した、イギリス・ブライトン出身の4人組、ザ・クークス。2ndアルバム『コンク』の発売まであと20日という一足早いタイミングで、待望の再来日を果たした。今回のプレミアム・ライヴは、チケットもソールド・アウト、ファンの熱気と、いまだ平均年齢23歳というバンド・メンバーたちの成長と、変わらぬ「真っ直ぐさ」を感じることができた。

セットリストは、『コンク』からの新曲をお披露目しつつ、いまやアンセムとなった“ナイーヴ”や“シーサイド”なども盛り込まれたものとなった。『インサイド・イン〜』が、天然の輝きをきらきらと放つようなアルバムであったとすれば、『コンク』は、丁寧に磨き上げた自らの素質を、堂々と聴き手の目の前に広げてみせるようなアルバムだ。その屈託のなさ、瑞々しさによって、じわじわと愛され、広がっていった『インサイド・イン〜』に対し、『コンク』は、セカンドであるにも拘らず、圧倒的なファースト・インパクトを放っているアルバムなのだ。そして今日のライヴは、『コンク』で見せるタフさのなかに、持ち前のクークスらしさが光る、素晴らしいライヴだった。

身も蓋もない言い方をしてしまえば、その「クークスらしさ」とは、ずばりメロディの素晴らしさ、である。ちょっといいメロディやちょっといい曲なら書けるバンドはたくさんいるが、ここまで瑞々しく、しかし人懐っこくて、同時にめちゃくちゃポップでもあるメロディを書ける新世代のバンドはほとんどいない。さらに、サウンド面で骨太に成長しながらも、そのメロディを以前にも増して磨き上げることのできるバンドというと、皆無だ。矢継ぎ早に繰り出されていった18曲の3分間ポップは、そのことをはっきりと伝えていた。(羽鳥麻美)
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