追加公演を含め全21公演を回る全国ツアー「きゃりーぱみゅぱみゅ JAPAN HALL TOUR Crazy Party Night 2015」。そのツアーファイナルが東京国際フォーラムAにて行われた。毎公演パーティーカラーが設定され、その色をファッションに取り入れるよう事前アナウンスされているこのツアー。この日のパーティーカラー＝紫色の照明が会場一面に広がるなか、思い思いの紫色をまとった人々が開演を今か今かと待っている。

オープニングBGM“Crazy Party Night Theme”とともにステージの幕が上がり、ナイトクラブをコンセプトにした舞台セットが姿を表した瞬間わあっと上がる歓声。ダンサーやDJがスタンバイし、シルバーのミニドレス姿のきゃりーぱみゅぱみゅが現れるとその歓声はもう一段階大きくなる。「紫色のみなさんと一緒にライヴを作っていきたいと思います、いいですか!?」と呼びかけると拍手喝采が客席に広がった。重低音の効いたサウンドにリミックスされた“CANDY CANDY”は新鮮だが、以降の曲も音源とはかなり異なるサウンド。ステージ上では大量のスモークも噴射され、オーディエンスは大きくジャンプしながら盛り上がる。熱狂冷めやらぬ間にステージではBMX（競技用自転車）やパワライザー（足にバネを装着し高くジャンプするスポーツ）によるパフォーマンスが繰り広げられ、電飾の眩しいドレスに着替えたきゃりーが登場、そして“ファミリーパーティー”へ……とステージを見逃す隙を一切与えない、高次元のエンターテインメントが展開された。MCで語られたのはナイトクラブをコンセプトにした今回のツアーが生まれた経緯。メルヘンチックなコンセプトの下、物語性のある構成や、お人形のように無機質なパフォーマンスを意識していたというこれまでのツアー。対して今回については「ツアーのために中田ヤスタカさんが用意してくれたリミックスがチャラかったのでこうなりました。『イェイイェイ！フゥ〜！』って感じで楽しんでください」と語っていた。

“こいこいこい”以降の3曲、キュートな曲調のなかに潜む妖しさや毒っ気が引き立つセクションを終え、ステージに現れたパフォーマーによるグラフィックポイ（LEDを駆使したジャグリング）が光のイリュージョンを生み出すなかで届けられたのは“にんじゃりばんばん”。そして、“つけまつける”から“ファッションモンスター”までキラーチューンの連続投下！　会場のテンションを最高潮まで引き上げ、本編ラストは“Crazy Party Night 〜ぱんぷきんの逆襲〜”だ。「1年中日本をハロウィンに染めようと思いまして、一生歌い続けたいと思います」という確信に満ちた言葉とともに堂々とパフォーマンスする姿は、日本まるごとカラフルに塗り替えてやるんだという彼女なりの宣誓にも見えた。

客席からの「きゃりー！」コールに応えたアンコール。“PONPONPON”のあと、今回のツアーへの想いを語る。初めてのことをやるときはいつだって勇気がいる、と前置きをしながら、それでもやっている自分やスタッフが一番楽しんでいたのだということ、各地でファンと一緒にライヴを作れたのが嬉しかったのだということを伝えていく。「2016年はデビュー5周年です。きゃりーも大人になっていきます。5周年はド派手にドーンといきたいと思いますので、みなさん応援よろしくお願いします！」という宣言に、客席から惜しみない拍手が送られた。そしてラストは“もんだいガール”。ペンライトの色を同タイミングで変える演出を客席全体で行い、大きな一体感を生み出したのだった。（蜂須賀ちなみ）

●セットリスト

01. No No No
02. CANDY CANDY
03. チェリーボンボン
04. インベーダーインベーダー
05. 100％のじぶんに
06. ちょうどいいの
07. シリアスひとみ
08. ファミリーパーティー
09. きらきらキラー
10. こいこいこい
11. おとななこども
12. きまま
13. にんじゃりばんばん
14. つけまつける
15. もったいないとらんど
16. ファッションモンスター
17. Crazy Party Night 〜ぱんぷきんの逆襲〜
（encore）
18. PONPONPON
19. もんだいガール