カイザー・チーフス @ 赤坂BLITZ

カイザー・チーフス @ 赤坂BLITZ - カイザー・チーフスカイザー・チーフス
カイザー・チーフス @ 赤坂BLITZ - カイザー・チーフスカイザー・チーフス
カイザー・チーフス @ 赤坂BLITZ - カイザー・チーフスカイザー・チーフス
10月に3rdアルバム『オフ・ウィズ・ゼア・ヘッズ』を発表したカイザー・チーフス。アルバム発売直後という嬉しいタイミングでの来日公演が実現した。23日にはMTVのイベントでレミオロメンとのカップリング公演を行った彼らだが、今夜は今回の来日で唯一の単独公演となる。

2005年発売の1stは英国内だけで200万超のセールスを記録、前作『アングリー・モブ〜怒れる群集』が英国チャート1位を獲得しており、今年5月には故郷リーズで3万5千人規模のスタジアム・ライブを行うなど、イギリスでは国民的人気を誇る彼ら。それだけに、このキャパシティの会場で観られること自体が貴重といって差し支えなく、場内の7分の1近くを外国人のお客さんが占める光景にも思わず納得。

最新作のアートワークを模したフラッグを背に、カイザー・チーフスの5人がステージに登場。キーボードのピーナッツは今月頭に盲腸で入院と伝えられていたが、無事来日を果たし、いつもどおりの茶目っ気あふれる姿をみせてくれている。

ショウの幕開けは、どっしりとしたスケール感あふれる重厚なギター・リフから。新アルバムの冒頭を飾る“スパニッシュ・メタル”だ! ミドル・テンポから徐々にダンサブルにビートが転換していくこの曲は、現在のこのバンドの風格をさりげなく場内にみせつけながらも、オーディエンスのテンションをじわじわとヒートアップさせていく。続く“ネヴァー・ミス・ア・ビート”でひときわ大きく場内がタテに揺れだし、フロアの床がしなる。フロントマンのリッキーは早くも前方のオーディエンスの方に身を乗り出しながら、煽りまくっている。

リッキーは、歌詞を知っている人はもちろんのこと、知らずとも一緒に歌えるように誘導していくのが本当に上手い。彼らの楽曲自体一度聴いたら忘れ難いメロディを有しているし、「オーオッ」とか「ナー、ナー、ナー」と、大声で歌い上げたくなるようなコーラスが楽曲のフックとなっていてとっつきやすいことも、すごく功を奏しているとは思う。でも、それだけじゃなくて、これほど全力疾走といえるほどまでにオーディエンスも始終歌い、飛び跳ねながらライブを楽しむことができるのは、老若男女問わず、置いてけぼりになるオーディエンスがでないような盛り上げ方ができるリッキーのパフォーマーとしての力量によるところも大きい。00年代デビュー組バンドで、とにかく、まず無邪気に「楽しい!!」と感じられるようなライブを展開してくれるギター・バンドというのは数えるほどしかない。「ウィー・アー・ザ・アングリー・モブ!」とシンガ・ロングすることで得られる爽快感や一体感は、00年代的な“気分”にはそぐわないかもしれないけど、すごく普遍的な浄化作用をもつものだ。

フロア中央あたりで観ていたのだけど、曲を経るに従いフロア前方の人口密度が上がり、両手を挙げながら全身で彼らのサウンドを受け止めていこうとする人が、どんどんと増えていく様はちょっと壮観だった。そんなことを思っていたら、リッキーがフロアにダイブをかまし、オーディエンスをかき分けて、客席中央の柵のところまでやってきた。自分の周囲はもみくちゃ。以前よりぽっちゃりしたリッキーのクラウド・サーフは、支える人がちょっと大変そう・・・。

ダンサブルな新作の楽曲群も、フロアから両手を掲げての歓迎をうけていた。ラストを締めくくったのは新アルバムにゲスト参加したリリー・アレンがマーク・ロンソンのプロデュースによりカバーしたことでもおなじみの“オー・マイ・ゴッド”。久々に本家バージョンを聴いたけど、無骨さがたまらない。この無骨さにこそリアルが宿っていると感じるのは自分だけだろうか。(森田美喜子)
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on