曲の選び方、並べ方、そして言うまでもないが鳴らし方と歌い方、いちいちすばらしい。1曲始まるごとに「おおっ!」ってなる。どの曲もなんかもう、ライブの1曲目もしくは最後の曲みたいなテンション。あ、静かめな“ピアノ”とかは、さすがにそうではないが。
何よりも、さっきもちらっと書いたが、鳴らし方と歌い方。まず爆音……というのは、僕は必ずしも盲目的に肯定する質ではないが、なぜこの爆音が必要なのかが体感でわかるそれ。で、キュウちゃんとハルキのリズムのうねり。フジケンとチバ、2本のギターのからみ。そして、生まれた時からディストーションがかかってるみたいな感触に、歳をとるごとにますます磨きがかかっていく……なんていうんでしょうこういうの、「経年劣化」と真逆のやつなんですが、な、チバの歌。
ただし、死にものぐるいでそういう音を出している感じでもない。余裕がある……というと言葉があんまりよくないが、でも、闇雲に必死にやってそれを実現しているのではなくて、わかってやっている感じ。爆音で力ずくであると同時に、相手の力で人を軽く放り投げてしまう合気道の達人みたいなしなやかさも感じる、というか。
なんだそれは。でもほんとにそういう感じだった。どうすればいいのかを知っている、奥義をつかんでいる、とでも言えばいいだろうか。そんなこと書かれても本人たちも「はあ?」だろうが。
「ありがとう。次は、フジロックかねえ」
「JOIN ALIVE」もあるけどあれ北海道だし、今ここにいるお客さんたちと次に会うのはフジかねえ、ということですね。わかりました。FIELD OF HEAVENのリー“スクラッチ”ペリー、途中であきらめて向かいます。(兵庫慎司)
●セットリスト
1 なぜか今日は
2 SとR
3 PIERROT
4 LOVERS
5 ダンスナンバー
6 ROKA
7 黒いレイディー
8 ROCK YOUR ANIMAL
9 くそったれの世界
10 ピアノ
11 星の首飾り
12 声
13 星に願いを
14 LOVE GOD HAND
15 FULLBODYのBLOOD
16 I KNOW
17 MOTHER
アンコール
18 LOVE SHOT
19 Shan Shan
20 KIMAGURE KING
アンコール2
21 さよなら最終兵器