sumika×フレデリック 「スミデリック2017」/CLUB CITTA’

神奈川県川崎市出身のsumikaと兵庫県神戸市出身のフレデリックが互いの地元で行うツーマンイベント「スミデリック2017」。sumikaのホーム編となるライブがCLUB CITTA’にて行われたのだが、このツーマンを一言で表すのなら間違いなく「信頼」だった。ここまで互いを理解し、想い合い、尊敬し合うという「目に見えぬ関係性」が音に乗って空気を伝い、聴き手の胸に響いてくるなんて!と終始感動してしまった。自分が大切に想える相手とここまでの関係性を築けたら…と思わず羨んでしまうような一夜だった。

トップバッターを務めたフレデリックは、満員のオーディエンスによるクラップに迎えられてステージに登場するや否や、“FUTURE ICE CREAM”をプレイ。さらに三原健司(Vo・G)の「スミデリック、始めます」という開会宣言から、90年代のダンスシーンを彷彿とさせる艶やかかつ叙情的な“ナイトステップ”、さらに“ディスコプール”というダンサブルナンバーを容赦なく投下! 揺れる・飛ぶ・踊るという本能的な動きが止まないフロアの熱気は目に見えて上昇していった。そんなフロアを見て「今回応募数が凄かったんだよ。これ、チッタ1週間できるんちゃうか?ってくらい」と話し、この場にいる幸運なオーディエンスを称えた。そして「フレデリックってバンドを存分に深く知ってほしいから」と行った自己紹介の中で、サポートから正規メンバーとなった高橋武(Dr)の紹介もした上で、「俺ら4人になって、凄くいい曲が2曲できた」と話し、8月16日にリリースされる2ndシングルから“かなしいうれしい”と“まちがいさがしの国”を披露した。

そして今回のツーマンを決めた理由について「2017年はもっと一緒に深いところまでいきたいと思えるバンドともういっぺんツーマンをやりたいと思った時に、一番初めに頭に浮かんだのがsumikaやったんですよ」と話し、「sumikaの好きなところは、人に対して丁寧なところ」であり「sumikaの音楽の中にフレデリックの要素が加わって化学変化が起こったら、フレデリックとsumikaならどこまででも行けるなと思った」と語った。こうして健司がsumikaについて語る言葉の全てには、絶対的な説得力が宿っていた。そこには「仲良くなったからツーマンに誘った」なんて簡単な理由ではなく、sumikaというバンドを深く理解し尊敬し、「絶対にこのツーマンでなければいけない」という強い想いが宿っていたし、それはサプライズ的に演奏された“ふっかつのじゅもん”、“ソーダ”のカバーの完璧さからも伝わってきた。そして「スミデリック、最高のツーマンになりそうだ」と“ソーダ”の歌詞をもじった健司の粋な発言に感激しきりの会場のテンションは、“オドループ”、“オンリーワンダー”のキラーチューンによる超攻撃でさらに爆上げ! そして「俺の近々の目標は、フレデリックの曲を武道館に連れて行くこと! 踊ってない夜が気に入らないって言って、時代変えませんか?」という確固たる未来を誓い、最高の状態でsumikaにバトンを渡したのだった。

フレデリックによる熱烈なバトンを受け取ったsumikaは、1曲目の“Lovers”で早くも会場を幸福感いっぱいに満たしたかと思いきや、「本日は一体何の日ですか? ただの木曜日をスミデリック曜日に変える魔法を一緒にかけて頂いても宜しいでしょうか?」と、フロアを巻き込んで“MAGIC”をプレイ! 軽やかに弾ける鍵盤の音色、身振り手振りをふまえて全身で楽しさを表現する片岡健太(Vo・G)のプレイスタイル、聴く人の気分をウキウキさせる抜群のハッピーメロディ――sumikaの絶対的な魅力がふんだんに盛り込まれたそんなサウンドに、一瞬の隙なく心が浮かれっぱなしだった。そして「さっきフレデリックにやられちゃったけど、本家の一発お見舞いしちゃっていいですかね?」と“ソーダ”を披露。さらに「大好きなフレデリックに、我々ホーム・川崎の熱いリズムをプレゼントしたいんですよ!」との黒田隼之介(G・Cho) の言葉を合図に響き渡ったクラップに乗って、“1.2.3..4.5.6”のダンスチューンを投下! そこからメンバー全員のトークセンスが光る自己紹介を経て、7月12日にリリースされる初のフルアルバム『Familia』から新曲“ここから見える景色”を披露した。

「幸せの頂点で歌える曲」という紹介も納得の優しく暖かいそのサウンドに和みながらも、sumikaが音楽を通じて見せてくれる表情の柔らかさに驚いた。それはフレデリックが評していた通り、「sumikaは人を大切にするバンド」だという彼らの性格の表れに他ならないし、人情味溢れる4人の人間性そのものなのだろうなと思った。そして片岡は、このイベントを共に作り上げたフレデリックへ「結局、繋がるところは人と人だと思うんです。自分の好きな人には美味しいものを食べさせたいじゃないですか。だから俺たちが生まれ育って長い時間を過ごしたこの川崎に、大好きなフレデリックを呼びたかった」とその胸の内を明かし、「sumikaが現時点で与えられる花束は、この曲しかないと思ってます」とラストに“「伝言歌」”をありったけの感情を込めて高らかに歌い上げた。

熱望されたアンコールで片岡は「フレデリックは、真面目。ちゃんと練習もしてる。才能もあるのに努力してる。嫉妬しちゃうくらい好きだし、正直勝ち目がない。俺、年に2、3回言うんだけど、フレデリックは生理的に好き」というこの上ない熱烈な告白をし、「今日、俺らまだ(フレデリックに)勝ててないわ! だから本家の意地、見せてもいいですか?」と“ふっかつのじゅもん”を投下! さらにフレデリックのメンバーも登場し、最後にsumikaの演奏で“オドループ”をセッションするというファン大歓喜のステージングで会場のテンションは沸点に達した。そんな「踊ってない夜は知らない」状態で文句なしに盛り上がったイベントは、この上ないほどの超大団円で幕を閉じた。(峯岸利恵)

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