感覚ピエロ/Zepp Tokyo

感覚ピエロ/Zepp Tokyo - All photo by ヤマダマサヒロAll photo by ヤマダマサヒロ

●セットリスト
1.CHALLENGER
2.疑問疑答
3.give me
4.無い ナイ 7i
5.ワンナイト・ラヴゲーム
6.CRAZY GIRL
7.Tonight Yeah!Yeah!Yeah!
8.拝啓、いつかの君へ
9.ミステリアスに恋をして
10.A-Han!!
11.さよなら人色
12.変幻
13.0になって
14.リア充大爆発
15.A BANANA
16.O・P・P・A・I
17.触れてみればいいんじゃない?
18.ハルカミライ
19.Just to tell you once again
(アンコール)
EN1.恋愛レボリューション21
EN2.LOVE GENERAL
EN3.Japanese-Pop-Music
EN4.VONGOLE 〜ナポリの潮風〜


「こんなライブができるのは、俺たちとお前らだけだと思ってますよ!」。感覚ピエロの全国47都道府県ツアー2018、「KKP TOUR またイかせてもらいます!!47都道府県全国津々ムラ×2!! デリバリー感覚ピエロ!!~チェンジだなんて言わせない~」、その2日目に響き渡ったのは、美しささえ醸し出すライブバンドとしての圧倒的実力と、不変の信念が担保する音楽的普遍性だった。音楽のよさって実はすごくシンプルで、かっけえな! 気持ちいい! 楽しすぎるう!ってことだけだったりする。その根本を妥協なしに突き詰めるからこそ、感覚ピエロというバンドはどんな曲だってやれるのだ。結果、バンドとして一切ブレず、楽曲、活動形態の両面において新たな地平を開拓できる。そう実感させられる素晴らしい夜だった。

感覚ピエロ/Zepp Tokyo
バックスクリーンには「KANKAKU PIERO」、「since 2013」、「JIJI INC. Just Imagine. Just Idea.」の文字、ステージには大量の機材、照明設備、4つのお立ち台。ナレーションを経てメンバーが登場、その姿はスター性に満ち満ちている。「手加減なしでいくぞ!」という横山直弘(Vo・G)の煽りから“CHALLENGER”へ。打ち込みからバンドサウンドに切り替わった瞬間、全身の毛が逆立ち、狂騒のリミットが一気に解放されていく。

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随所で気合いの咆哮を放つ横山、天を見上げてソロを弾き、拳を突き上げ合いの手を促す秋月琢登(G)、頭をブンブン振って弦に魂を込める滝口大樹(B)、熱唱しながら豪腕ドラムをぶっ叩く西尾健太(Dr)。初のフルアルバム『色色人色』からキラーチューンを連発していく中で、4人の個性が混ざり合い、極彩色の輝きが生まれている。さらに“ワンナイト・ラヴゲーム”ではグラマラスなダンサー6人がオンステージ。「大声であえいでくれますか!」(横山)と、淫らな感エロワールドも全開だ。

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“CRAZY GIRL”、“Tonight Yeah!Yeah!Yeah!”のファン垂涎ゾーンは会場中の大合唱とジャンプがすさまじく、“拝啓、いつかの君へ”はスケールの大きなアンサンブルも相まって、演奏する4人のシルエットから説得力と美しさまでもが滲み出ている。直後、曲間のつなぎ部分でミクスチャー風セッションが繰り出されたが、ロックの衝動だけで突っ走る姿もまた痛快であり、ライブならではの醍醐味を感じさせてくれる場面でもあった。

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今ツアーから初MCをしているという滝口の饒舌トークを経て“さよなら人色”。MVと同じく弾き語り(エレキ+ディレイだが)から披露されたこの曲は、メロディの普遍性がものすごい。しっとりした切ない余韻に加え、高速タッピングに映える焦燥感もあり、どんな状態の心でも抱きしめる力を持っているのだ。事実、その後のMCで明らかになったように、この日のお客さんは男女比5:5、10代から50代以上まで、幅広い層のオーディエンスが詰めかけていた。

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「こんなくだらねえワードでひとつになっちゃう感覚ピエロのライブ、後半戦も思っきし暴れていけますかー!?」、横山がそう叫ぶと“リア充大爆発”が始まる。続いてまたもやダンサーが登場し、“A BANANA”、“O・P・P・A・I”と性なる宴がエスカレートする中、“触れてみればいいんじゃない?”で一瞬のアカペラをビシッと歌い上げる横山。あんだけムラムラさせといて決めるところはかっこよく締める、ちょっとずるいくらいである。

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「かっこいい音楽だけを詰め込もうっつって、初めてフルアルバムを出しました。こいつら一体何やりてえんだと思うかもしれない。だがしかし、その感想にすべてが詰まってます。俺たちは全部やりたい。過去にとらわれるつもりも一切ございませんよ。『感覚ピエロは変わったね?』、ズバッと言います。変わりました。でもそれは、俺たちの心の中にある『かっこいいものしかやらない』、その信念を絶対曲げないっていうプライドのために変わり続けてるんです。そしてライブに足を運んでくれてるみなさんのことを大切にしたいから変わり続けていくんです」と横山が宣誓。そこからの“ハルカミライ”、ラストの“Just to tell you once again”は、この日一番大きな声で歌われ、まさに全身全霊を込めた万感の締めくくりとなった。

感覚ピエロ/Zepp Tokyo
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アフターサービスという名のアンコールは計4曲。ヘドバンありコール&レスポンスありのお祭り騒ぎで幕を閉じる。今夜最も印象的だったのは、観客への感謝を綴る“Just to tell you once again”の直前、横山が「嘘偽りなく、みんなのことを家族のように思ってます」と言ったこと。それは手売りで音源を販売したり、地道にガツガツ道を切り拓いてきた過去があるからこそ口に出せる言葉なのだ。これからどんな舞台に立とうとも、彼らのそういった精神、そして音楽に対する信念は変わらない。裏を返せば、その揺るぎない魂こそが、さらにでっかいステージに立つ未来へと、彼らを導いていくのだと思う。(秋摩竜太郎)

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