UNISON SQUARE GARDEN @ 恵比寿リキッドルーム

UNISON SQUARE GARDEN @ 恵比寿リキッドルーム - UNISON SQUARE GARDENUNISON SQUARE GARDEN
UNISON SQUARE GARDEN @ 恵比寿リキッドルーム - UNISON SQUARE GARDENUNISON SQUARE GARDEN
1月28日にニュー・シングル『マスターボリューム』をリリースしたUNISON SQUARE GARDEN。今日のライブとは全く関係ない話だが、あるCDショップに寄ってみたら、展開されていたポップに恐らくメンバー自身が直筆で書いたであろうメッセージがあった。それは、「J-POPを魂で鳴らせば、それは『ロックのそれ』より勢いをもつ」というものだった。その言葉がすごく頭の中に残ったまま今日のライブを観たのだが、まさにその言葉通りのことが目の前で行われていて驚くほどに勢いに満ちたライブだった。「2009年のUNISON SQUARE GARDENの勢いを決定付けるライブになったらいい」と斎藤(Vo/G)が語っていたが、今、本当にバンドがベストな状態にあるのが良く伝わってくる、溢れんばかりの自信が漲る熱い一夜だった。

SEをかき消すように鳴らされた斎藤のギターと歌、そのまま疾駆するリズム隊が雪崩れ込み3人の演奏が1つのアンサンブルとなってリキッドルームを揺らす。“神に背く”で幕を開けるとそのまま、さらに駆け抜けるように“センチメンタルピリオド”へ。とにかく、前のめり過ぎるくらいの勢いと気合と迫力がバシバシと伝わってきた。

「やりたいことがあまりにも多すぎて、曲数がしぼれないからしぼらないことにしました!」と言うと、昔からの名曲“スノウリバース”で横ノリのグルーヴを生み出し、“一人思うは雨の中”でしっとりと王道のバラード・ナンバーを聴かせ、“空の飛び方”で弾むようなビートでどこまでもポップなメロディーを響かせ、やりたいことを詰めに詰め込みながら、まだまだ上へ、もっともっと速く、とテンションはどんどん上昇していった。そんなバンドの勢いにオーディエンスも完全に乗っかって、盛り上がる中、4月15日に1stフルアルバムが発売されることが決定したという嬉しい告知が!「人を惹きつけるだけの超絶1stフルアルバムが出来つつあります!」と力強く言い切ると、「アルバムには入らない新曲を披露します」といって、新曲お披露目セットに突入。アルバムにも入りきらないくらいに良い曲がどんどん生まれているという、バンドの絶好調ぶりを教えてくれる。

鳴らす楽曲すべてがポップで瑞々しいのに、それが優しくというよりかはむしろ攻撃的で、鋭く突き刺さるように聴こえてくるのは、なぜなんだろうと彼らのライブを観る度に思っていたが、今日披露された新曲群を聴いてようやくその答えが分かった。「山下達郎でも、MAXでもない、UNISON SQUARE GARDENの“RIDE ON TIME(正しい曲名表記は不明)”を聴いてください!」と始まった、斎藤のハイトーンボイスを田淵と鈴木によるハーモニーで彩るサビメロが印象的なこの曲も、ストレートな歌とビートで攻めていく“情熱サティスファクション(正しい曲名表記は不明)”も、まさに「J-POP」そのものなのだ。その「J-POP」と本気で向き合って「魂で鳴らす」からこそ、UNISON SQUARE GARDEN独自のポップとロックの間を自由に行き来する絶妙なバランス感覚が生まれるのだろう。ポップであることを徹底的に突き詰めてアウトプットした結果生まれたロック・ミュージックは、来るアルバムには入らない楽曲ではあるが、その期待を煽るには充分すぎるほど素晴らしい出来だった。

そして、「ライブはここからです!」といって後半、“マスターボリューム”“フルカラープログラム”と畳み掛けるように叩きつけて、フロアはこの日一番の最高潮を迎えた。そして、ラスト。鈴木によるドラムソロが披露されると、田淵がハンドマイクでステージを練り歩き思いの丈をぶつけてオーディエンスを挑発した。

「アーティストを信じないでください!アーティストを疑ってください!疑って疑って、それでも疑って、最後に残ったものが本物の音楽です!誰かに何を言われても、誰かに馬鹿にされてもいいように、UNISON SQUARE GARDENはここに立っています! 本気の勝負をしようじゃないか!かかってこいよ、ばかやろう!」と2009年のUNISON SQUARE GARDENが本気で闘うことを誓う決意表明を叩きつけると、“ガリレオのショーケース”でリキッドルームが一気に戦闘モードに様変わり。アンコールでは、「もう、本編でやりきったから、アンコールはおまけです。何してもいいよ」と言うと、本当にやりたい放題で本日5曲目新曲を演奏したり、名曲のパーティー・バージョン“MR.アンディ-party style-”でミラーボールが回る中、キラッキラの打ち込みサウンドとともに場内はダンスフロアと化した。

まだまだ、やり足りないと言わんばかりに「何回でもやるよ!」と再びステージに現れダブルアンコールを含めて全22曲。「J-POP」を魂で鳴すことにかけては他の追随を許さないということを真っ向勝負で証明し、今のUNISON SQUARE GARDENの持てる力をすべてを出し切り、次へ向けての一歩を踏み出した大事なワンマンライブとなった。(阿部英理子)

1.神に背く
2.センチメンタルピリオド
3.水と雨について
4.スノウリバース
5.一人思うは雨の中
6.空の飛び方
7.サンポサキマイライフ
8.さよなら第九惑星
9.新曲
10.新曲
11.新曲
12.5分後のスターダスト
13.WINDOW開ける
14.新曲
15.マスターボリューム
16.フルカラープログラム
17.ガリレオのショーケース

アンコール
18.新曲
19.MR.アンディ-party style-
20.2月、白昼の流れ星と飛行機雲

アンコール2
21.ライトフライト
22.箱庭ロック・ショー
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする