日向坂46/さいたまスーパーアリーナ

日向坂46/さいたまスーパーアリーナ

●セットリスト
1. ドレミソラシド
2. ひらがなで恋したい
3. ときめき草
4. 期待していない自分
5. 抱きしめてやる
6. My god
7. やさしさが邪魔をする
8. Cage
9. Dash&Rush
10. 君に話しておきたいこと
11. こんなに好きになっちゃっていいの?
12. キツネ
13. キュン
14. ハッピーオーラ
15. NO WAR in the future
16. JOYFUL LOVE
(アンコール)
EM1. 誰よりも高く跳べ!
EN2. 半分の記憶
EN3. 約束の卵


9月26日、さいたまスーパーアリーナ(以下、SSA)にて日向坂46の「3rd シングル発売記念ワンマンライブ」が開催された。フェスや全国握手会でのミニライブは行っていたものの、しっかりとしたワンマンライブは今年3月の「デビューカウントダウンライブ!!」以来、実に半年以上ぶり。そしてこのライブを観て改めて、日向坂46が掲げる「ハッピーオーラ」とは決して漠然とした思想的なものではなく、しっかりとそこに存在しているのだと再認識させられた。

日向坂46/さいたまスーパーアリーナ
日向坂46/さいたまスーパーアリーナ

お馴染みのSEが流れた後、1曲目“ドレミソラシド”からスタート。久々のワンマンライブということで、開演前から「まだかまだか」と緊張感にも似た雰囲気が会場に張りつめていたが、メンバーが登場すると熱気が決壊するように爆発。会場のボルテージは、ど頭から一気にフルスロットルへ。その盛り上がりを加速させるように、なんと1曲目から銀テープが発射される。間髪入れずに2曲目の“ひらがなで恋したい”に突入。すると今度はメンバーがトロッコに乗り込み、アリーナを周り始める。普通ならライブ中盤~後半にあるような演出がいきなり飛び出した、出し惜しみなしのロケットスタートだった。

日向坂46/さいたまスーパーアリーナ
日向坂46/さいたまスーパーアリーナ

「私たち、日向坂46です」の挨拶でMCが始まると、続いて今日の公演がSSAだけではなく全国の映画館でライブ・ビューイングされていることが告げられる。キャプテンの佐々木久美の「今日1日しかないですよ! もっと盛り上がっていきましょう!!」の煽りで次のブロックへ。伸びやかに踊る“ときめき草”の途中で花道を通りアリーナ中央のサブステージへ移動すると、4曲目は“期待していない自分”。2番のサビでは、他のメンバーがサブステージで踊る中、メインステージにひとり、この曲のセンター・佐々木美玲の姿が。楽曲の世界に入り込んで主人公の葛藤を見事な表情で表現し、大サビ前には他メンバーが待つサブステージへ花道をひとり全力ダッシュ。この全力で憑依的なパフォーマンスには、実に圧倒された。続いてメインモニターに星空が映し出されたエモーショナルな空間で“抱きしめてやる”が披露され、2回目のMCへと移る。

ここでは、この日の影アナも担当した埼玉出身トリオ・金村美玖、丹生明里、渡邉美穂を中心に「埼玉トーク」。埼玉県のシンボルの木が「けやき」であること、埼玉は日本で1番快晴の日が多い県で「おひさま」が沢山出ているということから、日向坂46と繋がりが多い地であるということが語られた。

駆け足気味で進んだライブを落ち着かせるミドルナンバー“My god”を経て、ユニット曲が2つ続く。1期生の加藤史帆、2期生の渡邉美穂、3期生の上村ひなのによる“やさしさが邪魔をする”では、しっとり且つ感情を乗せて歌い上げる先輩ふたりに負けじと、上村も堂々とした姿でパフォーマンス。東村芽依、金村美玖、河田陽菜、丹生明里の4人による“Cage”は、メンバーが鳥籠に入っている状態から楽曲がスタートし、1番のサビで籠を出ると、まさにケージから出た自由な鳥を表すように伸びやかなダンスを披露した。ゆったりしたテンポの曲が続いたところで、ここでなんと富田鈴花がソロでラップを披露。会場からも驚きと賞賛の歓声が上がる中、アップテンポな“Dash&Rush”へと華麗に繋いだ。10曲目には再びミドルナンバー“君に話しておきたいこと”を優しく歌い上げ、緩急のメリハリが効いた3つ目のブロックを締めくくった。

日向坂46/さいたまスーパーアリーナ
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会場が温かい雰囲気なっているところで、加藤史帆の提案から急遽「おひさまクイズ」がスタート! クイズは全3問で、提案者の加藤、齊藤京子、東村芽依がそれぞれ出題した。しかし、2問目を担当した齊藤は相変わらずの天然っぷりで、客席はおろかメンバーも齊藤が出題したクイズの意味を理解できず、満杯のSSA全員の頭に「?」を発生させていた。

そんな和やか過ぎる(良い意味で)ムードを仕切り直すように、佐々木久美が「みなさんお待ちかねのあの曲を初披露させていただきたいと思います!」と話すと、10月2日(水)リリースの新曲“こんなに好きになっちゃっていいの?”へ。楽曲が始まる前には、先日公開されたMVに繋がるプロローグのような短い映像が流れ、よりエモーショナルな雰囲気を演出。服装はMVでメンバーが着ているものと同じ衣裳で、この日のセットもMVをイメージして作られたものだという。まさに、あの素晴らしいMVをそのままライブに持ってきたような至極のパフォーマンスだった。小坂菜緒も、恋する「あなた」への強い気持ちをシリアスにしっかりと表現しきり、3作連続で務めるセンターとしての自覚が感じられた。3rdシングルへの意気込みも語られた後、ライブはラストスパートに突入する。

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サブステージからキツネの面をつけたダンサーが赤い傘を持って登場すると、BGMも相まって「和」の雰囲気に。ダンサーが傘を駆使したかっこいいダンスで花道を通ってメインステージでバシッと決めると、メンバーが登場しパーティーチューン“キツネ”がスタート。モニターにはミラーボールやネオンが映し出され、先ほどの「和」から一転SSAは「ディスコ」のようなムードに。再び急上昇したテンションそのままにデビューシングル曲“キュン”へ。3月のライブで初披露された際は、これから始まる新たな歩みへの不安や期待が入り混じりながらのパフォーマンスに見えたが、半年が経ったこの日の“キュン”はメンバー全員から自信と自覚がしっかりと確認でき、彼女たちの成長の証をひしひしと感じた。立て続けに、加藤史帆の「おひさまのみんなで幸せになるぞー!」で始まったのは“ハッピーオーラ”。メイン・サブの両ステージ、花道、トロッコにもメンバーが散り、溢れんばかりの「ハッピーオーラ」を振りまいていく。大サビ前にはメインステージ上段に上村ひなのが登場し「みなさんの声を聴かせてくれますか?」で《Yeah Yeah》→「Hey!!」のコール&レスポンスがスタート。どんどんと大きくなる「Hey!!」に、SSAが「ハッピーオーラ」で満たされていくのを感じた。ノンストップでキラーチューンを連発したこのブロックのラストは“NO WAR in the future”。とっくに100%を超えている会場のボルテージを、これでもかと更新し続け、SSAはメンバーと「おひさま」の心からの笑顔でいっぱいだった。

日向坂46/さいたまスーパーアリーナ
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「日向坂46のライブは、みなさんが居て初めて完成するものだと思ってます。みなさんが居なければ、私たちはここまで来れませんでした」とキャプテンから感謝が告げられ、本編ラストの“JOYFUL LOVE”へ。アリーナと正面スタンドの青&空色のセンターラインを中心に、左右のスタンドも赤・ピンク・紫・緑・黄色・オレンジにペンライトが綺麗に揃い「虹色ペンライト大作戦」も大成功した。

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この日のライブを通して、日向坂46のメンバーは、歌もダンスも移動さえもダッシュで全力だった。彼女たちは、この泥臭さすら感じるパフォーマンスと、本人たちも心から楽しんでいることが伝わってくる満面の笑顔を、決して抜くことなく常に全力投球で届けてくれる。そんな彼女たちだからこそ、多くの人が魅了され「おひさま」となるのだ。そしてキャプテンもMCで言っているように、日向坂46のライブは、彼女たちのパフォーマンスだけではなく、「おひさま」も参加して完成する(「おひさま」たちがSNSなどの呼びかけで始めた「虹色ペンライト大作戦」が良い例だ)。そんな日向坂46メンバーと「おひさま」が作り上げる最高の空間こそが、「ハッピーオーラ」なのかもしれないと改めて感じた。

日向坂46/さいたまスーパーアリーナ
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アンコールの1曲目は、“誰よりも高く跳べ!”。この日出演した1期生の8人が、新グッズのTシャツに着替えてステージ後方からトロッコで登場した。佐々木久美&加藤史帆が中心となり、客席を煽りに煽りまくりながらスタートした間違いなしのライブアンセムは、地響きするほどの大シンガロングと大ジャンプを巻き起こした。曲のラストに2期生が登場すると、そのまま1期生と入れ替わって“半分の記憶”を披露した。この日最後のMCでは、「緊急告知」として主演ドラマやタイアップなどの決定が発表された。そして、最後には「けやき坂46」時代より恒例となったクリスマスライブが今年も開催されることがアナウンスされ、大歓声が沸き起こった。盛り沢山のお知らせの詳細は、こちらから。

そしてこの日のラストは、キャプテンの「私たちには本当に色んな夢があって、こうやって『おひさま』が沢山居てくださって、一つひとつ叶えることができてるんです」、「そんな私たちの夢を歌った曲でございます。みなさんペンライトの準備はいいですか?」という問いかけから“約束の卵”。日向坂46のワンマンライブの最後を飾る曲として定番化しつつあるこの楽曲は、まさにキャプテンが言った通り「彼女たちの夢」がそのまま綴られており、最高の時間を締めくくるのにピッタリ。客席とメンバーが持つペンライトに加え、照明も「空色」一色に染まった光景は圧巻の一言だった。

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最後に改めて、佐々木久美がこの日SSAとライブ・ビューイングに集まった「おひさま」に感謝を伝え、「もっともっと坂を駆け上っていけるようにこれからも精進し続けます! 『おひさま』も一緒についてきてくれますか?」と問いかけると、それに応える大歓声が客席から上がった。「以上、私たち日向坂46でした!」のあいさつの後、さらにマイクを使わずに地声で「今日は本当に、ありがとうございましたー!!!!」と叫び、ステージを去って行った。こうして、「今の日向坂46」が余すところなく全て出し切られた日向坂46の2回目のワンマンライブは、最高を更新し続けたまま幕を下ろした。(野澤勇貴)
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