TOTALFAT/新木場STUDIO COAST

TOTALFAT/新木場STUDIO COAST - All photo by AZUSA TAKADAAll photo by AZUSA TAKADA

●セットリスト
1.Broken Bones
2.Good Fight & Promise You
3.夏のトカゲ feat.男鹿なまはげ太鼓
4.Room45
5.Angry Shotgun
6.World of Glory
7.Invention〜Good morning, my treasures〜
8.Dear My Empire
9.Seeds of Awakening
10.晴天
11.Delight!! feat. J-REXXX
12.Just Say Your Word
13.DA NA NA
14.Summer Frequence
15.Highway Part2
16.Phoenix
17.Visible
18.X-stream
19.DADDY BROTHER LOVER LITTLE BOY
20.Livin’ for The Future
21.Walls
22.Space Future
23.See You Later, Take Care
24.All for You
25.The Naked Journey
26.ONE FOR THE DREAMS
27.Show Me Your Courage
28.Place to Try
(アンコール)
EN1.宴の合図
EN2.PARTY PARTY
EN3.Good Bye, Good Luck
EN4.Overdrive


TOTALFAT/新木場STUDIO COAST

遂に、この日がやって来てしまった。

今年4月にKuboty(G・Cho)がTOTALFATを脱退する旨を伝える文面がバンドHPで発表され、それから5ヶ月があっという間に過ぎた。正直、まだ実感は沸かない。「TOTALFAT presents Kuboty's Last Show “FINAL SHRED”」と銘打たれたメンバー4人による最後の舞台は新木場STUDIO COASTである。この日は当然チケット完売、楽しみと切なさが入り交じる感情を抱えたまま、後は開演を待つのみだ。

TOTALFAT/新木場STUDIO COAST
TOTALFAT/新木場STUDIO COAST
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18時10分、SEに導かれて、Jose(Vo・G)、Shun(Vo・B)、Kuboty、Bunta(Dr・Cho)が現れ、メンバー4人で円陣を組んだ後、“Broken Bones”でショウはスタート。続く“Good Fight & Promise You”、“夏のトカゲ”では男鹿なまはげ太鼓をフィーチャーし、お祭り騒ぎに拍車がかかっていく。恒例のタオル回しも行われ、会場の興奮度は既にマックスに到達していた。その後もKubotyの煌びやかなライトハンドが炸裂する“World of Glory”、どこか青春ちっくなメロディに彩られた“Dear My Empire”と次々に投下。“Delight!!”に入ると、レゲエアーティストのJ-REXXXを呼び込み、Joseもハンドマイクで応戦し、緩急溢れるパーティーチューンで焚き付ける。

TOTALFAT/新木場STUDIO COAST
TOTALFAT/新木場STUDIO COAST

ここでShunがリードボーカルを務めるエモーショナルな日本語曲“Just Say Your Word”を挟んだ後、「今日のセトリはKuboty一人で考えた」とShunが説明し、「(セトリが)60曲超えてた。それぐらいやりたい気持ちで来たから。かなりのオールタイムベスト!」とKubotyは返し、ここから勢い重視のナンバーを畳み掛ける。2ビートを用いた“DA NA NA”を皮切りに“Summer Frequence”、“Highway Part2”、“Phoenix”、Kubotyの流麗なギターが暴れ回る“Visible”と怒濤の攻勢ぶり。キャッチーな“X-stream”ではJoseとKubotyが向き合ってツインリードを決める場面も印象的だった。

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そして、ここでUSハードロックのカバーアルバム『Hard Rock Reviver U.S version』(07年発表)収録の冒頭曲“DADDY BROTHER LOVER LITTLE BOY”をプレイ。これは日本でも高い人気を誇るミスター・ビッグの名盤2ndアルバム『Lean Into It』収録曲で、ShunとKubotyは曲中盤のギターソロでドリル奏法(電気ドリルの先にピックを付けて音を出す)を披露。しかもKubotyはポール・ギルバート(G)が愛用していた電気工具メーカー「マキタ」の電気ドリルをわざわざ使用するこだわりっぷり! フロアはポカン状態だったけれど、筆者はずっとヘッドバンギングしてしまった、あまりにもかっこ良すぎて。Joseは「KubotyがHR/HM(ハードロック/ヘビーメタル)を教えてくれた」と発言していたが、TOTALFATの歴史を語る上でもこのカバー作は絶対にハズせない。当時、Kuboty以外のメンバー3人はこのカバー作のレコーディングを通して、HR/HMのかっこ良さを理解した。つまりパンクバンドに異色とも言えるメタル要素を取り入れ、TOTALFATが飛躍を遂げる起爆剤となったカバー作ゆえに、この曲はどうしてもやる必要があったのだ。

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ショウは折り返しを過ぎると、Kuboty作詞作曲による“Space Future”をプレイ。この曲がまた素晴しく、メロウな旋律を用いたロマンチックな曲調に観客のクラウドサーフは途絶えることがない。「それぞれの旅は続く」とShunが言うと、次は“The Naked Journey”が飛び出し、曲名通りにジャーニー感漂う楽曲に心酔。

今日のライブはニコ生でも独占生中継されており、現場に来れなかった人に対してKubotyは「TOTALFATで15年、僕の青春すべてでした。一生、青春を燃やしていきましょう!」と呼びかけると、Shunは「1年前に(脱退を)聞かされて、受け入れられなくて、ムカついて……俺たちにくれた感情は形容し難い。ここまで連れて来てくれたのがKuboty、ありがとう!というか、バカやろうっていうか……」と複雑な胸中を吐露し、涙を見せる場面もあった。

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それから“ONE FOR THE DREAMS”、“Show Me Your Courage”と経て、「ここにいるみんなの声をこいつにぶつけてくれ、Kuboty、君はひとりじゃないって」とJoseが言うと、本編ラストは“Place to Try”を放つ。《君はひとりじゃない/涙こえて/君と進んでいこう》の歌詞を観客も大声で歌い上げ、これ以上ない歓喜の光景を作り上げた。

TOTALFAT/新木場STUDIO COAST

アンコールに応えると、「TOTALFATは3人で続けることを選んだ、マジかっこいい! 3人で今日を超えるライブをやってくれるでしょう!」と精一杯のエールを送るKuboty。ここから“宴の合図”、“PARTY PARTY”と振り出しに戻ったような熱気が渦巻く。「KubotyがTOTALFATに残した最高の曲!」とShunが説明すると、“Good Bye, Good Luck”が炸裂。《You say good bye/旅立ちのとき/ともに見た夢を proud of my heart/I say good luck/約束しよう/また会える日まで》の歌詞が胸に沁みた。そしてミラーボールが煌々と回る中、最終曲“Overdrive”が解き放たれるや、涙腺はあっさりと崩壊してしまう。

TOTALFAT/新木場STUDIO COAST
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全32曲、約2時間半に及ぶショウは瞬く間に過ぎ去り、最後の最後にKubotyはギュウギュウの会場に飛び込み、フロア真ん中、上手、下手と場所移動して、計3回胴上げされて全行程終了。この日の零時を過ぎると、早速3ピースの新生TOTALFATが始動した。しかし、そこに(with 超絶メタル・ギタリスト、Kubotyと過ごした15年間の日々)と付け加えておきたい。(荒金良介)

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