欅坂46/「THE LAST LIVE」

欅坂46/「THE LAST LIVE」 - All photo by 上山陽介All photo by 上山陽介

SE:Overture
M1:危なっかしい計画
M2:手を繋いで帰ろうか
M3:二人セゾン
M4:太陽は見上げる人を選ばない
M5:制服と太陽
M6:世界には愛しかない
M7:コンセントレーション
M8:Deadline
M9:10月のプールに飛び込んだ
M10:砂塵
M11:風に吹かれても
M12:アンビバレント
M13:ガラスを割れ!
M14:誰がその鐘を鳴らすのか?
M15:サイレントマジョリティー
ENDING
M16:Nobody's fault(櫻坂46 新曲)


欅坂46が10月12日、13日の2日間にわたり無観客配信ライブ「THE LAST LIVE」を開催した。

本ライブをもって欅坂46は5年間の歴史に一度幕を閉じ、新たに「櫻坂46」としてのスタートを切った。ファンとメンバーにとって最も濃い時間で、忘れられない2日間となった「THE LAST LIVE」から、最終日の模様をレポートしていきたい。

開場時間の18時きっかりに、配信ライブの画面を開いた。早く始まって欲しいような、やっぱり少し寂しいような、複雑な気持ちで開演を待つ。18時半を過ぎると巨大なゲートが映し出され、そこからメンバーがステージに向かって歩みを進めていく。画面越しにも伝わってくる緊張感の中、欅坂46にとって最後の“Overture”でファイナルステージの火ぶたが切られた。「ラストー! ぶちあがれーっ!!」小林由依の絶叫から1曲目‟危なっかしい計画”が始まり、メンバーは今までで一番と言えるくらい晴れやかな表情でタオルを振り回す。そのまま2曲目“手を繋いで帰ろうか”になだれ込むと、菅井友香と守屋茜がステージを飛び出し、会場中を駆け回って可愛らしいケンカ寸劇を繰り広げた。時々メンバー同士が顔を見合わせて、楽しそうに笑顔を浮かべる姿が微笑ましい。そして何より、佐藤詩織の潤んだ瞳が切なくも本当に綺麗だった。

欅坂46/「THE LAST LIVE」
欅坂46/「THE LAST LIVE」
欅坂46/「THE LAST LIVE」
欅坂46/「THE LAST LIVE」

この日もそれぞれのメンバーにスポットを当てたメモリアル映像が随所に挟まれ、今までの歩みを振り返る演出があった。小池美波の映像から、彼女にとってひときわ思い出深い曲“二人セゾン”へと繋がっていく。≪花のない桜を見上げて/満開の日を想ったことはあったか?≫、≪春夏秋冬 生まれ変われると/別れ際 君に教えられた≫――ここまで聴いて、まさに今の彼女たちの姿にピッタリなことに気付いた。この曲に限らず、新2期生も加えて披露された“太陽は見上げる人を選ばない”も、守屋のポエトリーリーディングから始まった“世界には愛しかない”も、今の彼女たちがだからこそ出せる「深さ」があった。彼女たち自身の歩みや経験が、歌詞に特別な意味を持たせたり、説得力を宿らせたりしていく。そう思うと、大きな決別を経て新しい坂を上り始める彼女たちは、きっとこれからもっともっと輝けるはずだ。

欅坂46/「THE LAST LIVE」
欅坂46/「THE LAST LIVE」
欅坂46/「THE LAST LIVE」
欅坂46/「THE LAST LIVE」
欅坂46/「THE LAST LIVE」

ライブ中盤は“コンセントレーション”から“砂塵”まで、ベストアルバム収録の未発表曲が立て続けに披露された。どの曲のパフォーマンスからも、今までの欅坂46にはない新鮮さを感じる。それがどんなものかを言葉にするとしたら「どこか神々しくもある儚い美しさ」と「誰かを守り抜こうとする愛ゆえの強さ」だろうか。今の彼女たちのパフォーマンスから滲み出すこれらの要素は、櫻坂46にも繋がっていくものなのかもしれない。

小林が上空へ高くフライングした“風に吹かれても”、小池の覚醒っぷりが凄まじかった“アンビバレント”と続いた後は、ダンスバトル風の迫力ある演出で“ガラスを割れ!”が届けられた。全身の力を振り絞るような激しいダンスを繰り広げ、その勢いのままラストシングル曲“誰がその鐘を鳴らすのか?”を畳み掛ける。そしてライブはいよいよフィナーレへ突入し、ステージのモニターには菅井の映像が映し出された。欅坂46になったばかりの初々しい姿から、キャプテンとして逞しく成長していく歩みを観て、改めて彼女の功績の大きさに拍手を送りたい気持ちになった。「どんなに苦しくても自分たちらしく居ていいんだって教えてくれたのは、欅坂でした」、「皆さんとの思い出を決して忘れません。だから欅坂がなくなっても、皆さんの心の中で欅坂の楽曲とか私たちが沢山作ってきた作品が、生き続けてくれたら嬉しいです」菅井が声を震わせながら最後の挨拶を終え、欅坂46にとってのラストナンバーは“サイレントマジョリティー”で締められた。欅坂46への思いが溢れる渾身のパフォーマンスは、この日のライブを目撃した全員の心にずっと残り続けることだろう。「欅坂46が大好きです。ずっと宝物です。以上、欅坂46でした! ありがとうございました」。その言葉で、彼女たちの5年間は幕を閉じた。

欅坂46/「THE LAST LIVE」
欅坂46/「THE LAST LIVE」
欅坂46/「THE LAST LIVE」

これで終演かと思われたが、エンディング後にまさかのサプライズがあった。「櫻坂46の誕生」を告げる映像が流れ、新しいグループカラーである白い衣装に身を包んだメンバーが再登場。そして12月9日(水)に発売が決定した櫻坂46の1stシングル曲“Nobody's fault”が初披露された。センターに立つ森田ひかるの堂々とした佇まい、欅坂46とはまた違うクールさを前面に出した曲とパフォーマンスは、これからの活動への期待を煽るものでしかなかった。ラストステージの余韻に浸る隙もなく、新たなスタートの興奮と衝撃を鮮やかに残して、欅坂46の最後の1日は終わりを迎えた。(渡邉満理奈)

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