RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂

RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by AYATO.Photo by AYATO.

●セットリスト
01. Rock & Beat/二人目のジャイアン
02. B-BOYイズム feat.晋平太/RHYMESTER(二人目のジャイアンcover)
03. 日進月歩 feat.晋平太/二人目のジャイアン
04. お願いマッスル(TVアニメ『ダンベル何キロ持てる?』OP)/紗倉ひびき(ファイルーズあい)、街雄鳴造(石川界人)(二人目のジャイアンcover)
05. Bad Apple!! feat.nomico/東方幻想郷(二人目のジャイアンcover)
06. チルノのパーフェクトさんすう教室/IOSYS(二人目のジャイアンcover)
07. 阿修羅ちゃん(TVドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』主題歌)/Ado(二人目のジャイアンcover)
08. ロマンス(TVアニメ『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』OP)/PENICILLIN(二人目のジャイアンcover feat.HAKUEI)
09. うっせぇわ/Ado(二人目のジャイアンcover)
10. うまぴょい伝説(『ウマ娘 プリティーダービー』イメージソング)/ウマ娘プリティーダービー(二人目のジャイアンcover feat.angela)
11. Shangri-La(TVアニメ『蒼穹のファフナー』OP)/angela
12. 全力☆Summer!/angela
13. 夜に駆ける/YOASOBI(二人目のジャイアンcover)
14. ムーンライト伝説(TVアニメ『美少女戦士セーラームーン』OP)/DALI(二人目のジャイアンcover)
15. Harmony(Cafe×音楽×青春 新感覚キャラクタープロジェクト『swing,sing』)/八乙女菫(二ノ宮ゆい)、百瀬百々(廣瀬千夏)、朝比奈日葵(田口華有)、天羽友梨(大橋彩香)、風祭瑠璃(田所あずさ)
16. Get Wild(TVアニメ『シティーハンター』ED)/TM NETWORK(二人目のジャイアンcover)
17. Hello Hello Hello/二人目のジャイアン
18. 劣等上等/ギガP feat.龍
19. テクノブレイク/らっぷびと,タイツォンfeat.龍
20. チカっとチカ千花っ♡(TVアニメ『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』第3話ED)/藤原千花(小原好美)(二人目のジャイアンcover)
21. おどるポンポコリン(TVアニメ『ちびまる子ちゃん』OP)/B.B.クィーンズ(二人目のジャイアンcover)
22. ボンダンス/二人目のジャイアン
23. Gun’s & Roses(TVアニメ『BACCANO! -バッカーノ-』OP)/Paradise Lunch(二人目のジャイアンcover feat.らっぷびと,アリレム)
24. VERSUS/RAB feat.雨宿軒&ALTOLITS
25. エンカウント/二人目のジャイアン
ENDING
26. secret base ~君がくれたもの~/ZONE(田口華有、AiRyA cover)


RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by Ugai kanaPhoto by Ugai kana
RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by AYATO.Photo by AYATO.
秋葉原とオタク文化を掲げ活動する、アニソンダンスパフォーマー・RAB(リアルアキバボーイズ)が、ダンスアーティストによる史上初の日比谷野音ワンマンライブを開催した。

アニソンとブレイクダンスを掛け合わせた動画をYouTube等に投稿し数百万再生を超えるヒットを生み、現在ではCMやアニソンのフェス等にも出演する「アニソン×ダンスのパイオニア」・RAB。主催するアニソンダンスバトル「アキバ×ストリート」が瞬間芸術の領域として「文部科学大臣賞」を受賞するなど、多様な手法でダンスという表現の限界を超えようとする8人編成のダンスパフォーマーで、既にZepp DiverCity(TOKYO)、中野サンプラザでのワンマン公演を成功させ、夢は日本武道館! その足がかりともいうべき記念すべきライブがこの日比谷野音となる。

7月10日、夏が本格的に始まり、強い日差しが照り付ける、日比谷公園大音楽堂。ついにこの日がやってきた。生バンドやボーカリストをゲストに迎え、映像とはまた別のダイナミックな肉体性をもったエンターテインメントを披露するのが彼らのライブの醍醐味だが、今回の野音は、ゲストとして晋平太、angela、HAKUEI(PENICILLIN/The Brow Beat)、そしてRABライブではお馴染みの二人目のジャイアン、田口華有、AiRyA 、らっぷびと、アリレム、huezを迎えてのスペシャルなステージだ。

RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by AYATO.Photo by AYATO.
RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by Ugai kanaPhoto by Ugai kana
オープニングを飾るのは、二人目のジャイアンの奏でる“Rock & Beat”。アーティストの紹介も兼ねた映像とともに、二人目のジャイアンのMASA(Vo)、田口華有、AiRyA、らっぷびと、アリレムが続々とステージへ。そして、日比谷に響くMASAの力強い歌声とともに、RABのメンバーが、満を持してステージ上に登場! 涼宮あつき、DRAGON、マロン、ムラトミ、けいたん、ゾマやかじゃない!、ネス、とぅーし――国内外のダンスバトルや大会などで名を馳せ、アニソンとダンスの世界を繋げた、8人の主役たちだ。

RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by AYATO.Photo by AYATO.
息つく間もなく、フリースタイルでのMCバトルを得意とする晋平太がゲストとして登場。RHYMESTER“B-BOYイズム”のカバーに合わせ、HIP HOP、ブレイクダンスのバックボーンを持つRABのメンバーたちが、そのHIP HOPへの想いと世界でも通用するダンススキルを、日比谷野音、そしてオンラインでライブを視聴している保護者(※RABのファンの総称)に届ける。

RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by AYATO.Photo by AYATO.
RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by AYATO.Photo by AYATO.
そこからの曲は、“お願いマッスル”、“Bad Apple!! feat.nomico”など、RABの「オタク×ブレイクダンス」、保護者たちにはおなじみのRABのエンターテインメント性を代表する楽曲が、野音の空へ響く。そして、MCの呼び込みとともにステージ上へ登場したのがHAKUEI。RABとはまったくベクトルの違う強いオーラに、日比谷野音はもちろん、オンライン配信のコメント欄やTwitterなどで歓声が沸き起こる。HAKUEI本人による“ロマンス”が歌唱され、続けてHAKUEIがAdoの“うっせぇわ”をカバーとして披露。ジャンルを超えて様々な世界観が合わさる、まさに令和のRABエンターテインメント。

RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by AYATO.Photo by AYATO.
ライブ中盤は、RABの盟友ともいえるangelaがステージ上へ登場。 “うまぴょい伝説”、“Shangri-La”のコラボレーション。“Shangri-La”ではテーマソングとなっているTVアニメ『蒼穹のファフナー』にかけて「ふぁふな~!」と書かれたノボリをけいたんの乗る自転車の荷台へ掲げ、『蒼穹のファフナー』18周年を勝手に祝う手作りプレートをステージへ持ち込み披露した。加えて、まさに夏をイメージする、“全力☆Summer!”をangelaが熱唱。観客にも、パフォーマンスに参加する客席ジャンプを促し、日比谷野音の一体感はさらに高いものとなった。

RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by AYATO.Photo by AYATO.
夏の暑い太陽が夕方に溶け、ステージの照明と保護者たちの持つペンライトがさらに強い光を灯す頃、RABのYouTube動画で345万回の再生数を記録するYOASOBIの“夜に駆ける”がついに登場! “夜に駆ける”の悲しさや切ない世界観を、RABのバックボーンとなる夜の秋葉原とかけ合わせ、見事にダンスで表現した完成度が日本中のダンスキッズに支持されたわけだが、その実演を体験した誰もが固唾を呑み、ここに来てよかったと思える名パフォーマンスだった。

MCを挟み、RABオリジナルメンバーの5人、涼宮あつき、DRAGON、マロン、ムラトミ、けいたんが、“Get Wild”を披露。続けて、RABの次世代メンバーとして2019年に加入したネス、とぅーし、ゾマやかじゃない!の3人によって結成されたユニット「RAB ESPICE(アールエービー エスピス)」が“Hello Hello Hello”を披露、日比谷野音のステージ上が輝く8色として届けられる。

RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by AYATO.Photo by AYATO.
RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by AYATO.Photo by AYATO.
ゲストダンサーとして、弱冠15歳の高校生・龍が登場し“劣等上等”、”テクノブレイク”をRABとプレイ。15歳ながら、ダンス歴は12年という龍は日比谷のステージへ推しの声優グッズを持ち込みMC中に発表するなど、RABとのシンパシーの強さを証明した。

RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by AYATO.Photo by AYATO.
RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by Ugai kanaPhoto by Ugai kana
会場も夜を迎え入れ、日比谷野音での最後のエンターテインメントをRABが届ける。ステージ上の照明を落とした、サイリウムを使用したサイリウムダンス(オタ芸)を披露し彼らのオタク文化への愛情と深さを表現する。アニメをこよなく愛する彼らの夢は「アニメになること」、アニメが好きすぎて「アニメみたいな」人生を送りたい、と願うRABの愛と本気度伝わってくる瞬間でもあった。

夏の野外公演が開始されてから2時間以上経ったこの時間、“Gun’s & Roses”でRABのダンスはさらに鋭さを増す。ブレイクダンスは、楽曲1曲分を踊り切るだけでも多くの体力を消耗するのだが、この日は夏の野外で2時間以上もパフォーマンス。プロでも疲れが顔に出てしまうのは当たり前だが、公演も終わりに近づき、保護者の応援が増えるとともに、疲れた様子を見せるどころか、ダンスで魅せる手足の先端精度が増すRAB。そしてその時間にこそ、彼らの笑顔と姿が最高のエンターテインメントになる。コミカルな演出、オタクという文化を前面に押し出しながら、肉体的にも体力的にももっとも厳しい時間に、彼らのダンスは最高の瞬間を迎える。これこそが人前でダンスを見せるダンスパフォーマーにとって大切な部分であり、その完成度こそRABの真の魅力だ。夏夜の日比谷野音を、さらに沸きあがらせるように、“VERSUS”、“エンカウント”でワンマンライブを締めくくった。

RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by AYATO.Photo by AYATO.
RAB(リアルアキバボーイズ)/日比谷野外大音楽堂 - Photo by Ugai kanaPhoto by Ugai kana
最後は出演者たちが横一列になり手を繋ぎ――「今日は本当にありがとうございました!」とマイクを通さず、大きな気持ちと声を届け、日比谷野音の保護者たちに叫び届ける。そして、史上初ダンスアーティストによる日比谷野音ワンマンライブは、成功を収めた。(渡邊一朗)

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