ユニコーン @ さいたまスーパーアリーナ

さいたまスーパーアリーナ2デイズの2日目。このツアーを観に行って、ここでこうしてレポートするの、横須賀芸術劇場(2月27日のプレミアム・シークレット・ライブ)・茨城県民文化センター(3月18日・水戸)・横浜アリーナ(4月1日)に続いて4度目ですが、4度目にして遂に遭遇しました。何に。セットリストのパターンBに、です。

このツアーのセットリストは、いつもやっている言わばパターンAの他に、少なくとももう一種類あって、同じハコで2デイズやる時は、そのパターンBが登場する。
ということは、実は以前から知っていた。ツアー初日、山形2デイズの1日目を撮ったライブカメラマンTEPPEIが、翌々日に、「たたた大変です、2日目は一部セットリストが違ったらしいです! あの曲の替わりにあの曲を、あの曲の替わりにあの曲をやったみたいです!」と、報告の電話をしてきたからだ。TEPPEI、観てもいないのになんで知っているのかというと、ネット等で情報を集めまくったからだそうです。「偉い」とほめるべきか、「なんなんだおまえは」とつっこむべきか、判断に苦しむところです。

で。ただし、必ずしも、1日目はパターンAで2日目はパターンB、という法則性ではないらしい。だから今回のさいたまスーパーアリーナも、どっちの日がどっちかわからなかったんだけど、運よく今日、Bを観ることができました。昨日観に行った知人にセットリストをきいて、パターンAだったことを知った時、思わずガッツポーズしました。

とは言っても、セットリストはもちろんのこと、曲名自体一切書かないでレポートすることを、自分内ルールにしているので、具体的な曲名はナシですが、えーと、全部で7曲が入れ替わっていました。過去のシングルも、シングルじゃないのも、ニュー・アルバムの曲もありましたが、いずれも「うわ、これが聴けるんだ!」という、とてもうれしい曲でした。あと、その変更に伴って、その曲に関わる部分の演出も、若干変わっていました。

その他、ツアー的には(シークレット・ライブを入れて)28本目、私的には4本目の『甦る勤労』、こんな感じでした。

●始まった瞬間にちょっとびっくりしたこと。阿部B、金髪になってました。ブロンドっぽい金髪ではなく、白に近いような、激しい脱色っぷりでした。

●もうひとつ阿部B、前はやっていなかったこと。画面にアップになりながら歌うところで、何故かポニョのぬいぐるみを手にしていました。

●あと、阿部B、アンコールで「明らかにそれはむちゃだろう」と言いたくなる行動をしておられました。本当に予定になかったそうです。終演後、バックステージで某スタッフ、というか所属事務所会長原田さんに会ったら、ぼやいておられました。
何をやったのかとっても書きたいが、このあとのツアーでもやるかもしれないので、やめときます。

●今日の衣裳は、水戸の時と同じ、そして「今日のために作ったんですよ? もちろん今日しか着ませんよ?」(民生)とか言っていた、赤いツナギでした。
蛇足。今日に限ったことではないですが、川西さんが前に出てくる時、右足だけヒザ下までまくり上げているのに気づいた方は多いと思いますが、あれ、ドラマー故の習性です。そのままでドラムを叩くと、ビーター(ペダルを踏むとバスドラムにヒットする棒状の部分。あの先っぽが白く丸くなってるやつ)が、右足のスソにスポッて入っちゃって、プレイに支障をきたすのです。自転車に乗る時、ズボンの右足のスソを折り曲げとかないと、チェーンに触れて汚れてしまうのに似てますね。

●そして。全体に、ぐっとタイトに引き締まった印象のライブでした。
ツアースタート当初は固かったけど、回を重ねるごとにだんだん慣れはじめ、演奏のレベルが上がりはじめ、それと同時に慣れはじめたのか、MCが長くなったり曲間が間延びしたりといったぐだぐだっぷりも増大していく傾向にあったが、そして前回私が観た横浜アリーナはその究極と言えるほぼ3時間のライブになっていたが、今日は同じ曲数にもかかわらず、尺も20分くらい短かった。

●バンドのグルーヴが、回を増すごとに上がっているのは、横浜アリーナの時にも書いた通り。
で。その演奏を聴いていて、そして、終始熱狂と歓喜と興奮の渦に巻き込まれっぱなしのオーディエンスを観ていて、「ほんっとにみんな喜んでるなあ、これ『なんか違った』とか『期待したほどよくなかった』ってがっかりして帰る人、リアルにゼロっていうくらい、いないかもなあ」と思ってから、気づいた。
例えば。昔よく聴いた音楽や、好きだったテレビ番組や、ファンだった芸人のビデオとかを今観直してみたら「あれ? あんまり面白くない」って経験、ありません? あるいは、遊園地でも観光名所でもいいが、子供の頃大好きだった場所に行ってみたら、意外とつまんないとこだった、というのも同じ。
つまり、思い出というのは、時と共に美化されるものであるという話です。それに、音楽に関して言えば、昔と比べてこっちの目も耳も肥えているというのもある。昔と違い、よくも悪くも大人の分別や冷静さを身につけてしまっている、というのもある。それは、時が経てば経つほど大きくなる。そしてユニコーンの場合、もう16年も経っている。
ゆえに、「昔とおんなじいい演奏」を提供するだけでは、「あれ? 意外にしょぼい」って受け取られる可能性が、十二分にあるわけです。今、何万人ものファンを熱狂させるには、だから、昔よりもすごいことをやらなきゃいけないわけです。
つまり。ユニコーンは、それをやっているということだ。というか、まず作品作りからはじめることによって、それをやれるかどうか見極めてから、本格スタートしたということだ。それって、すごいことだと思う。昔のユニコーンもそりゃあいいバンドだったけど、今ほどよくはなかった。ありえない、こんなバンド。ほんとにそう思う。

というようなことを考えました。武道館もレポートします。(兵庫慎司)
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