「CUT NIGHT vol.14」lukiスペシャルライブ/池袋harevutai

「CUT NIGHT vol.14」lukiスペシャルライブ/池袋harevutai - All photo by 郡元菜摘All photo by 郡元菜摘


●セットリスト
01. フーチークーチーウーマン(カバー)
02. アイスグリーン
03. Bang Bang (My Baby Shot Me Down)(カバー)
04. more
05. The End of the World(カバー)
06. 墓場鳥
07. 新月とコヨーテ
08. 朝日のあたる家(カバー)
09. 瓶とスコール
10. The End(カバー)

(アンコール)
11. Boom Boom(カバー)
12. ハイエナ


『CUT』主催によるトーク&ライブ複合イベント「CUT NIGHT」Vol.14が11月12日、ライブスペース・池袋harevutaiにて開催を迎えた。渋谷陽一による「ロッキング・オンの50年、洋楽の50年」という壮大なテーマのトークライブで大いに会場が湧いた後、lukiによる恒例のライブがスタートした。

「CUT NIGHT vol.14」lukiスペシャルライブ/池袋harevutai

 幻想的な青の照明の中、黒のタイトな衣装で颯爽と登場したlukiが歌い始めたのはマディ・ウォーターズの日本語カヴァー“フーチークーチーウーマン”。ここ最近は毎回、ロック・クラシックやブルースの日本語カヴァーを、アンコールやライブ中盤で披露するのが恒例となっていたが今回はカヴァーからライブをスタート。他にも、この日はこれまでライブで披露してきた日本語カヴァー曲が数多く演奏された。しかし、そこだけに重点を置いたライブではなく“アイスグリーン”“more”といった洋邦の垣根を越えた最新鋭の音楽性を持つオリジナル曲たちのメッセージが、カヴァー曲とほぼ交互に演奏されながら、そしてLEDスクリーンいっぱいの壮麗な映像と化学反応を起こしながら、いつも以上に力強い羽ばたきで心に迫る。

「CUT NIGHT vol.14」lukiスペシャルライブ/池袋harevutai

スキータ・デイヴィスのカヴァー”The End of the World”からオリジナル曲“墓場鳥”への美しく儚い流れで中盤のクライマックスを迎えたところで、少し長めのMC。長距離ランナーというもう一つの顔も持つ彼女が、先日の「壱岐ウルトラマラソン2022」100km 女子の部で見事一位を獲得したエピソードが、写真や映像と共に報告されて会場は祝福ムードに染まる。

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その壱岐で走りながら見た神々しい風景を重ねながら歌われた“新月とコヨーテ”、カヴァー音源化シリーズの第一弾となりMVも発表された“朝日のあたる家”、そしてアニメーション映像と実演の融合の眩さが増していた“瓶とスコール”と見所しかない展開が続く。

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しかし、本編最後には衝撃の初披露カヴァーが待っていた。lukiの口からドアーズの”The End”の曲名が告げられると会場は驚きと期待にどよめく。詩人・ジム・モリソンの才気の深淵が10分超の長尺で描かれる難曲の日本語カヴァー、それはまさに不可能への挑戦。しかし不穏に立ち込める雲、稲光、豪雨の映像、そして円山天使(G)、山本哲也(Key)、張替智広(Dr)の鉄壁の演奏に支えられながらステージ上に展開したのは、生々しくダイレクトな言葉で原曲を誠実に咀嚼しながら、luki自身の肉声としてのラブソングが現出する圧巻のロックスペクタクルだった。

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アンコール含めて約1時間がまるで一瞬。来年4月15日の開催が発表されたワンマンライブ「新古今洋歌集」への期待が無限に高まる見事なライブだった。(古河晋)
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