TRICERATOPS @ SHIBUYA O-EAST

『TRICERATOPS WILD SUMMER TOUR 2009』と銘打って8月17日(月)札幌を皮切りにスタートしたTRICERATOPSの夏ツアー。先週土曜日に行われたSHIBUYA-AX公演に続いて追加公演として決定した本日SHIBUYA O-EASTでの公演をもって最終日を迎えた。

今回のツアーは、この夏に出演したフェスでもすでに披露されている待望の新曲“I GO WILD”を携えてのツアーということで、普段のアルバムリリース・ツアーとも少し違うマニアックな選曲がたまらないオープニング。“GUATEMALA”で緩やかに3人それぞれが一つ一つの音を確かめるようにバンドサウンドを響かせると、O-EASTといういつもよりこじんまりとしたアットホームな空間も手伝ってかフロアは程よく心地良い空気が流れていった。そこから“Two Chairs”“Silly Scandals”といったギターリフでぐいぐいと牽引していくトライセラお得意のロック・ナンバーでじわじわと会場は熱を帯びていった。

TRICERATOPSのライブでいつも思うのは、3ピース編成でシンプルにロックを奏で、グルーヴを生み出し、オーディエンスを踊らせるということの単純な気持ち良さが、いつ観ても変わらず良いと思えることだ。ロック・バンドとして当たり前のことなんだろうけど、これを10年以上やり続けることはやはり並大抵のことではない。自らに酔いしれ、屈託のない笑顔で粋なギターリフをこれでもかと言わんばかりに繰り出していく和田唱は、いつ観ても永遠のギター少年そのもの。きっと本人の気持ちが初心からずーっとブレずにきていることが大きいのかもしれない。“2020”を聴きながら、きっと2020年になっても今と変わらない気持ちでロックを鳴らしているんだろうなと思うと、なんだか微笑ましくて仕方がなかった。

和田が「気持ちを込めてじっくりやりたいんだ」と言っていたように、比較的ゆったりとした流れでライブは展開されていったのだが、途中、アコースティック編成で披露されたブロックが個人的にはツボだった。アコースティック・ギターの弾き語りで魅せた“シラフの月”では、先ほどまで見せていたキラキラとした少年性が嘘のように一気に哀愁漂うアダルティーな雰囲気を醸し出していく。林のアコースティック・ベースと吉田の穏やかなドラムが加わり軽快なリズムに乗って“SCAR”。林と吉田のコーラスが織り成すサビメロが本当に美しかった。今日のライブ前に食べたものについての長めの爆笑脱線MC(ちなみに、普段ライブ前にあまり食べないという林は納豆ごはん、和田は野菜パスタ、吉田は卵かけごはんを食したそう)に続いては、ファンキーなアレンジで生まれ変わった“My Skywalker's T-shirt”。ビッグバンド風に自在にスウィングしまくる間奏のアドリブが最高に恰好良くて、オーディエンスからは大歓声が沸き起こった。そして、極めつけは「天国のキング・オブ・ポップに捧げます」「俺のすべての始まりです」と言って披露されたマイケル・ジャクソンの“Human Nature”。無類のMJ好きである和田の甘く優しい歌声があまりにもはまりすぎていて涙が出そうなほど沁みる。ロックをベースにソウルやファンクといったブラック・テイストを根底に持っていて、それがバンド・サウンドに大きな広がりを生み出しているというこのバンドの基本的な成り立ちを、ルーツを辿ったカバー曲の披露で改めて確認できた瞬間だった。

林のゴリゴリとうねる超絶チョッパーと吉田の心臓を劈くような迫力満点のリズムが生み出す鳥肌もののソロプレイにやられ、和田の「ウォー、イェーイ!」というコール&レスポンスで会場がいよいよ抑えきれない熱気を爆発させる。なぜか吉田はオカマキャラを炸裂させてDA PUMPの“Crazy Beat Goes On”をドラムを叩きながら熱唱しては大爆笑を巻き起こし、ついに10月7日に発売される新曲“I GO WILD”へ突入した。強靭なハートで愛する人を守ることを誓うこの歌で、これからのTRICERATOPSの行く道を力強く示し、ラストは“Fever”“トランスフォーマー”“FUTURE FOLDER”の鉄板の3連チャンでフロアは4つ打ちのリズムに合わせてジャンプしたり、拳を突き上げたり、大合唱したりで今日一番のクライマックスを迎えた。

アンコールでは今夜2曲目となる新曲で、「女の子全般に捧げた曲」という“GIRLS”を披露。これはちょっぴりザ・フラテリスの“Flathead”を彷彿とさせるような軽快なモータウン・ビートに乗った可愛らしいナンバー。初めて聴く人が多いにもかかわらず、乗せ上手な和田の煽動でフロアからは大合唱が沸き起こり、また新しいTRICERATOPSに期待がかかる。ダブルアンコールでは『I GO WILD』の次の作品となるシングルを携えて年内にもう1回ツアーをすることを発表。「ロックで踊っちゃえば、すべてうまくいくでしょ!」そんなトライセラの命題でもあるような堂々たる和田の言葉とともに、ラストは“ロケットに乗って”で自信たっぷりに締めくくられた。年内のツアー&早くも新作アルバムに期待を膨らませる一夜となった。(阿部英理子)

1.GUATEMALA
2.Two Chairs
3.Silly Scandals
4.PYRAMID CRASH
5.SECOND COMING
6.TATTOO
7.2020
8.シラフの月
9.SCAR
10.My Skywalker's T-shirt
11.Human Nature
12.I Can't Tell You Anymore
13.GOTHIC RING
14.I GO WILD
15.MILK&SUGAR
16.Fever
17.トランスフォーマー
18.FUTURE FOLDER

アンコール1
19.GIRLS
20.Raspberry

アンコール2
21.ロケットに乗って
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