Paymoney To My Pain×RIZE @ 新木場スタジオコースト

Paymoney To My Pain×RIZE @ 新木場スタジオコースト
Paymoney To My Pain×RIZE @ 新木場スタジオコースト
Paymoney To My PainとRIZEのカップリング・ツアー、全9本中の3本目。デビュー時期とかは全然違う2組だが、そもそもは数年前、RIZEがLAに移住してアメリカ・ツアーをやっていた時期に、やはりLAに住んでいたKと知り合って以来の付き合いらしい。
先攻はP.T.P.で後攻がRIZEだったのでRIZEはアンコールがあったんだけど、その時JESSEが「これツアー・ファイナルじゃないから」と言ったのをきいて、「ああ、そうだった」と思い出した。
JESSE的にはおそらく、その前にしゃべったことがなんかファイナルっぽい内容になっちゃったな、と思ったので、そう付け足したのではと思うが、だから「ああ、そうだった」と思ったのではなく、本当にこれでおしまいみたいな、だからすべて出し切ったような、燃え尽きるような、ステージを降りたら精魂尽き果てて髪が真っ白になっていそうなライブだったからだ、P.T.P.もRIZEも。

P.T.P.は、超簡単に言うと「モダン・へヴィネス、ややハードコア寄り」、RIZEは元々いわゆるミクスチャーとかへヴィ・ロックぽかったのが、だんだんよりストレートかつシンプルにハードな方向へ進み、特に2008年5月にギター中尾宣弘が脱けて3人になってからは、さらにそれが強まる(というのが僕の印象)。
以上、この両者に詳しくない人も読んでいるかもしれないので、一応書いておきましたが、そういう、音楽性がどうだったとか、前と比べてどう変わっていてどう変わっていないとかは、まああんまり特筆しなくてもいい。それよりも、大事なのはとにかく、音、声、ステージ・パフォーマンスにこめられた、意志というか念というか、ありきたりな言葉だけど気合いというか、そういうエネルギーのほとばしりがものすごい、という点において、この両者は、とてもよく似ていた。というか、同じだった。音楽性は「ヘヴィで激しい」ってこと以外は結構違うし、普段あんまり一緒にして考えたことがなかったんだけど、「そうかあ、こんなに近いのかあ」と改めて思った。

それぞれどんなセットリストだったかとか、どんなサプライズがあったかとかいうのは、まだまだツアーが続くので書くのやめとくが、そういう意味で、どっちもとても目が離せないライブだった。当然フロアは死ぬほどあがっているが、どかーんとあがって思いっきり発散してああすっきり、ってだけじゃないことを、P.T.P.もRIZEもやろうとしている。もっと、聴く人と自分たちの生活とか人生とかを根本から変えていくような、つまり大げさに言うと、世界を変えるようなことを起こそうとしている。というか、それが起こせると思ったから、バンドをやっている。そのことがよくわかるライブだった。

それから、そういう気合いとか意志以前に、単にプレイヤーとしてやたら優れている2組だ、というのもある。超ざっくりした言い方だけど、こういうラウドでへヴィな音をやるバンドって、楽器を弾く人としてまっとうに上手くないとスタートラインに立てないところがあるが(逆に言うと、他のジャンルのバンドはそうでもないところもあるってことです)、その時点で圧勝している。今知ったわけじゃないけど。
なんか、「しゃべるように楽器を弾く人たちである」というのも共通しているなあと思った。P.T.P.のギター、パブロとRIZEのドラム、金子兄が、特にそうだと思った。

蛇足。MCでJESSE、父親になったことを報告していました。「子供ができるって、最初はわけわかんなかったけど、生まれてみると……人のために生きるのって楽しいぜ」だそうです。おめでとうございます。(兵庫慎司)
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