インタビューを終えると死に物狂いで車に乗り込み、一同フェリー乗り場へ。車ごとフェリーに乗るシステムであったのだが、到着すると船着き場には既に長い車の列が・・・。悪夢のようだ。何とか指定の時間のフェリーに乗り込み、ふと船内のカフェテリアに向かうと何とそこにはデイヴ・グロールがビールを片手に、ホットドックを頬張っているではないか!!??「シアトルで最高のメシだぜ!」と言って、明らかにパッサパサのホットドッグをこちらにかざして会釈。ここで一気に緊張の糸が緩む。ありがとう、デイヴ。
フェリーを降り、そこから更に2~30分程車で行くと、ようやく集合場所として指定された駐車場に到着。そこには当選者が招待した親戚縁者や近所の面々が嬉々として集まっていた。そして、シアトル名物であるどしゃぶりの雨の中、一同シャトルバスに乗っていよいよ会場のガレージへ。このガレージは、当選者である自動車整備店”Al’s Automotive”(アルさんの自動車整備店)を経営する夫婦の仕事場で、美しくリメイクされたアメリカン・クラシック・カーが誇らしげに陳列されている。ガレージ内には、アルさん手作りの「ようこそ!フー・ファイターズ!全米No.1 アルバム『ウェイスティング・ライト』発売中!」という微笑ましいバナーも丁寧に掲げられている。そして、このゴージャスなクラシック・カーをバックに、いよいよフー・ファイターズが登場。絵になる。
「みんな集まってくれてありがとう!フー・ファイターズです。今日はセットリストが無いんだけど、楽しんでいってください」と、デイヴ。この貴重なライヴを見ようと集まった大はしゃぎ状態の親戚縁者及びご近所さん50人を前に、新作のオープニング曲でありキラー・チューンでもある“ブリッジ・バー二ング”でライヴはスタート。驚いたのは予想を良い意味で全く裏切ってくれた、そのサウンド・クオリティ。 ガレージならではの荒々しいサウンドながら、しかしその1曲1曲は全身を通じて確実にハートに直撃してくる。「俺がまだバンドを始めたばっかりで、超下手くそだった頃、練習の為に友達のガレージを借りてこうやってライヴをしていたのを思い出すな。ビール片手に、最高に楽しかった。だから今でもこうやってガレージでライヴをやるのはすげえ楽しいよ。」・・・またまたデイヴさん。何をおっしゃる。 6万人の観客を前にスタジアムでライヴをやらせても、50人の観客を前にガレージでライヴをやらせても、俺たちは常に最高のライヴをやってみせるぜ!って、思い切りドヤ顔で見せつけているじゃないですか。(実際はそんな顔していませんでしたが。)
あっという間に過ぎた約2時間に渡るフー・ファイターズ(恐らく)最後のガレージ・ライヴは、合間におじさん、おばさんへのサービスも意識してかクイーンのカバー「タイ・ユア・マザー・ダウン」等も入れつつの全15曲、「ディス・イズ・ア・コール」で幕を閉じたが、改めてフーファイの楽曲の良さと、長いキャリアに裏付けられたタイトな演奏力を思い知らされる感動のライヴであった。
そして更に感動的だったのが、ライヴ終了後に、頭から湯気を出しながら、そこにいるおじさん、おばさん、子供たち相手に丁寧に挨拶をして回っていたメンバーの姿。きっちり1時間ほどかけてそこに集まった全員と丁寧にミーグリも行い、正に夢のようなイベントが終了。そこにいるラッキーな50人に(恐らく)一生の思い出を残し、バンドは去っていきました。 貴重な体験を本当にありがとう、フー・ファイターズ! 尚、当日演奏した15曲は以下の通り。(ソニー フー・ファイターズ担当 黒木美和)
Bridge Burning
Rope
Times Like These
Learn To Fly
My Hero
All My Life
Summer’s End
White Limo
Arlandia
Stacked Actor
The Pretender
Tie Your Mother Down
Monkey Wrench
Everlong
This Is A Call