現在発売中のロッキング・オン7月号では、フー・ファイターズ最新作の完全レビューを掲載しています。
以下、本記事の冒頭部分より。
文=増田勇一
絶望に近い状況に追い込まれた次の局面で、かならず希望が救いの手を差し伸べてくれるとは限らない。ただ、それを信じて前を向き続けていなければ、そこにトンネルの出口があることに気付かぬまま立ち止まることになる場合もある。4月、フー・ファイターズから届いた新曲“レスキュード”を聴いた時、ふと、そんなことを考えさせられた。
《俺と同じこと今考えている?》《俺は救い出されるのを待っている》といった言葉が繰り返されるこの曲の歌詞から何を連想するかは人それぞれであるはずだし、単純に、広く共感を集めそうな歌詞だと受け止めることもできる。ただ、デイヴ・グロールとこのバンドがここ1年数ヵ月ほどのさほど長くない時間経過の中で辿ってきた現実について把握できている人たちは、同じことを連想せざるを得ないことだろう。
2022年3月25日、1997年当時からこのバンドのビートの源であり続けてきたテイラー・ホーキンスが急逝した。2021年2月に発表された『メディスン・アット・ミッドナイト』がグラミー賞「最優秀ロックアルバム」に輝き、バンド自体がロックンロールの殿堂入りを果たすという輝かしい出来事が続いた翌年のことだった。
同年9月、ロンドンとロサンゼルスで開催されたトリビュートコンサートは、彼がいかに素晴らしい音楽人であり、さまざまな音楽仲間からどれほど愛されてきたかを伝えてくれる、感動的としか言いようのないものとなった。(以下、本誌記事へ続く)
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