コールドプレイの最新ワールドツアーの一環として、遂に来日公演決定の報が届けられた。11月6日/7日の東京ドーム。前回2017年の来日時にはようやく、東京ドームでのスタジアム級ライブという本来の世界基準に到達したが、今回は記事執筆時点で、堂々の2デイズがスケジュールされている。
この「ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ・ワールドツアー」は、すでに世界中の各地公演で記録的な動員を見せており、昨年10月のブエノスアイレス公演は日本の劇場でもライブビューイングが行われたほか、今春にはディレクターズカット版としても劇場公開されているので、スクリーンを通して体験したファンも少なくないだろう。前作『エヴリデイ・ライフ』のツアーが開催されなかった反動もあってか、凄まじい盛り上がりの中でパフォーマンスの精度を高め、日本公演を皮切りにアジア/オセアニア地域のレッグへと乗り出すことになる。持続可能性の取り組みでも注目を集めるツアーだ。
ツアー大盛況の理由は、もちろん最新アルバム『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』にもあるだろう。「ザ・スフィアーズ」という架空の惑星系を舞台に壮大なSF的世界を生み出し、分断の時代に人々の共通項を力強く見出してゆく作風は、セレーナ・ゴメスやBTSとの必然的コラボ曲をもたらすばかりではなく、コールドプレイらしいユニバーサルなスケール感の求心力を伴ってワールドツアーへと復帰する原動力となった。
環境問題に配慮しながらも、ザイロバンドやパイロテクニクスの大掛かりなライブ演出が、最新アルバムの世界観を膨らませる幻想的なビジュアルと相まって東京ドームを満たしてゆく光景は、想像するだけでも胸が高鳴る。おそらくは“ハイヤー・パワー”や“マイ・ユニバース”といった新作曲をはじめ、キャリアの名曲たちが巨大なシンガロングによって共有されるライブとなるだろう。
ロックバンドによる、最先端にして現代最高峰のライブエンターテインメント。体験しない手はない。きっちりと備えて、当日を心待ちにしてほしい。 (小池宏和)
コールドプレイの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。
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