サマーソニックの熱狂も冷めやらぬなか、続々と行われる単独公演。今日はジザメリとディーヴォとプロディジーが被るという鬼のようなスケジュールのなか、問答無用で踊れる&アガれることを見越して、行ってきましたスタジオコースト、ザ・プロディジー! で、どうだったかというとこれがやっぱり問答無用で踊れるしアガれるしブッ飛ぶしで最高だった。海外の最近のライブでは新曲もバリバリやっていて、サマソニ前にリリースするなんて噂も飛び交っていたニュー・アルバムに向けた作業も着々と進んでいる(実際、ほとんど終わっていて、リアムが8月29日発売の「BUZZ」掲載のインタビューに答えたところでは「あと2曲」で完成だそうだ)はずの彼らだが、そういう意味でもいい状態にあるようで、世代交代とかニュー・レイヴとか言っていられないほどの存在感と音圧とパフォーマンスを見せてくれた。
ステージ上には5つの「目」(を象ったライトで、赤く光ったり青く光ったりする)とガチャガチャと組み合わされたライト、ドラム・セットと巨大なブース。そして、大量のスモーク! ちょっと多すぎやしないかというくらいのスモークがしゅわしゅわと吐き出されていて、フロア後方からだとステージ上の様子がうっすらとしか見えないくらい。これにライトが当たるとものすごくきれいではあるのだが。そこに登場したリアムは黄色いTシャツ、マキシムは黒いタンクトップ、そしてキースは赤いストライプのジャケットを着ていて、背中は「MY DOG WILL KILL YOU」と書いてある(というのが分かったのはそれがサマソニと同じ衣装だったからで、スモークごしではっきりとは見えなかった)。
最初の一音が鳴った瞬間にフロアの熱気は最高潮。サマソニもそうだったが、鉄板の代表曲連発セットで、一瞬たりとも休む暇を与えないハード・ロッキンなパフォーマンスだった。もちろん“ファイアスターター”や“ブリーズ”や“スピットファイヤー”などの名曲は出し惜しみなし、新曲(これが初期っぽいレイヴ・チューンでライブで体験するのに最高)も交えつつキャリアの節目節目を振り返るような内容で、しかもそれぞれの曲がアップデートされて15年前の曲でもむしろ思いっきり「いま」にジャストな音になっている。もともとシーンの変節に合わせてアメーバのようにスタイルを変えつつサバイブしてきた彼らだけに、感覚的にいま求められているものを察知しているのだろう。
アンコールの最後には(たぶん本当にエクストラだったのだと思う)キースが「もう1曲やるよ」と叫んで“アウト・オブ・スペース”を披露、絶叫と大合唱とヘッドバンギングが渦巻くなか、1時間ちょっとのショウは終わりを告げた。短いよ! 次は新作引っさげてのツアーを期待しています!!(小川智宏)
ザ・プロディジー @ 新木場スタジオコースト
2008.08.11