the telephones @ さいたまスーパーアリーナ

the telephones @ さいたまスーパーアリーナ - pic by 古渓一道pic by 古渓一道
the telephones @ さいたまスーパーアリーナ - pic by 河本悠貴pic by 河本悠貴
「さいたまー! みなさんお待たせ! We are the telephones! 『SUPER DISCO Hits FINAl!!!~そして伝説へ~』@さいたまスーパーアリーナへ、ようこそー! みんな、伝説を目撃してくれー! 踊ろうぜ! アー・ユー・ディスコおおおお!」という石毛輝(G・Syn・Vo)の絶叫が、さいたまスーパーアリーナの巨大な空間に響き渡る! そして、この日を待ちきれなかったオーディエンスの弾けるような熱気以上に、誰よりもこの日を待ちきれなかったステージ上の石毛輝/ノブこと岡本伸明(Syn・Cho)/長島涼平(B・Cho)/松本誠治(Dr)の4人のテンションが、1曲目“Monkey Discooooooo”の楽曲自体のエネルギーとともに無限増幅して、アリーナとその後方のスタンド席を呑み込んでいく……the telephonesが12月恒例ライブ企画『SUPER DISCO Hits』のファイナルと銘打ってこの夏にぶち上げた「2011年12月23日・さいたまスーパーアリーナでのワンマン・ライブ敢行」計画。ご存知の通り、日本武道館/横浜アリーナ/代々木体育館といったワンマン・アクトを成功させたアーティストのみが踏み出す「その先」のステージであり、キャパ3万人以上を誇るここさいたまスーパーアリーナに、これまでワンマン・ライブ最大キャパ3000のthe telephonesが踏み出す……というだけで、この日のライブがどれだけ無謀な冒険であるかがおわかりいただけることと思う。が、「どうも! 埼玉県北浦和からやってまいりました、the telephonesです!」と自分たちの「出発点」を明確に掲げた石毛の高らかなコールからもわかる通り、彼らは武道館でも代々木でも横アリでもなく、他でもない「ここ」でライブをやる必要があった。いや、逆に「ここ」でライブをやるという目標があったからこそ、シーンに闘いを挑むドン・キホーテとして暴れ回ってきたし、触れる者すべてを踊り回らせるだけのエモーションを生み出すことができたーーということが伝わってくる、感動的なライブだった。

エレクトロ・ハード・ロック“A A U U O O O”をポンポン持ったチアガールが煽りまくり、続く“Baby.Baby.Baby”ではノブこと岡本伸明と同じく青ラメのシャツ姿のカウベル部隊が現れて華を添え……と思ったら当のノブ本人はアリーナ中央のお立ち台に移動してひときわ激しくくねりながらカウベルを打ち鳴らしていたり……といった大会場ならではの演出が施されていたのは序盤の助走部分のみであって、あとはひたすらテレフォンズの、どこまでもロックでディスコな爆発力に満ちた音楽の力でもって歓喜の先へとぐいぐい邁進していく。もちろん“DISCO AGE MONSTERS”や「夏にNY行ってました。ここでやるために、最高の曲作ってきました!」と炸裂させた“Yeah Yeah Yeah”をはじめ、“Punk Is Not Heavy Metal”“I Am Me”など最新アルバム『ROCK KINGDOM』からの楽曲を随所に盛り込み、「人にはいろんな勝利の形があると思うけど、俺たちにとっては今日このさいたまスーパーアリーナの成功が唯一の勝利です!」と“Just One Victory”を披露したりして「テレフォンズ最新型」と「今この瞬間、さいたまスーパーアリーナという晴れ舞台」を会場全体で謳歌し分かち合おうという4人のモードが、この日の最も大きな動力源ではあった。が、そこに「全国にアリーナはいっぱいあるんですけど、ここさいたまだけ『スーパー』がついてるんですよ! でも今日、さいたまウルトラスーパーアリーナになってるのは、君たちがいるからだー! 覚悟しとけー!」というノブの絶叫からレーザー光線のきらめき以上に目映い“SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!”が加わり、「なんかわかんねえけど、すげえだろ? これはすなわち、テレフォンズがニュー・ジェネレーションのバンドだってことなんだ!」(石毛)というMCから“2010”が畳み掛けられ、「死にたい時に作った曲を、明るく歌おうと思います!」(石毛)と初期ナンバー“Homunculus”が響き渡り……と、the telephonesのこれまでの歩みを自ら完全総括するような展開に、広大な1階アリーナは見渡す限り祝祭感あふれる熱血ダンス・フロアへと化していく。

「すげえ! すげえぞ景色!」とか「クロークとか入場遅れちゃってごめんね!(クロークの受付待ちで開演が30分ほど押した)。その分伝説作るんで、楽しんで踊ってってください。よろしく!」とか「……なんか、今日は『ありがとう』しか浮かばないです」とか、目の前のパワフルなオーディエンスの姿に感激しまくっていた石毛。「ようこそ『ライブハウス・さいたまスーパーアリーナ』へ!」と、気合い入りまくった赤モヒカン頭で呼びかけてみせた松本誠治。「俺たちは6年前に、2駅となりの北浦和KYARAっていうライブハウスで生まれて。このステージよりも狭いくらいのハコなんですけど。『変なバンド』とか言われながら、ここまで来ちゃいました! でも、俺らはライブハウス出身のバンドってことにすごく誇りを持ってるんで……というわけで、ここからライブハウス・モード全開でやっていいっすか? テレフォンズで最初にやった曲をやります!」。沸き上がる大歓声の中、“Used Skin”のグランジ・ディスコ・サウンドが響き“fu~shit!!!”“DaDaDa”とインディー時代の必殺ダンス・ロック・ナンバーが飛び交い、でっかいスーパーアリーナがキッズのダンスの力で面白いように揺れていく。00年代後半、手法としての「ロックとダンスの融合」とも、洋楽シーン発のニュー・レイヴ/ニュー・エキセントリックといったムーブメントともまったく別の文脈で、クラブ・カルチャーとライブハウスを直結させ、そこから未体験の高揚感とダイナミズムを描き出すべく、埼玉の地でシーンに名乗りを上げたthe telephones。当初から「1人1人が自分のロックを持てば、すごくいい国になるんじゃないですかね、日本は」と意気軒昂な発言を繰り返していたのも、取りも直さず石毛はじめ4人の明確な目的意識の裏返しだった。そして、彼らの闘いが、さいたまスーパーアリーナという場所で見事に結実していた。実に奇跡的な一夜だった。

とはいえ。いかに奇跡的な一夜ではあっても、さいたまスーパーアリーナの広大な客席の隅々までオーディエンスで満たすまでのミラクルを起こしていたというわけではない。「スーパーアリーナって、本当はもっと広いんですよ。オープン!」という石毛の言葉とともに、アリーナ左右に垂れ下がっていた黒幕がカーテンの如く開いていくと……そこに現れたのは無人の2階客席。「すなわちこれ、空き席です!(笑)。俺ら、隠すの嫌だから出しました」と石毛。「でも、1回目でこんだけ来てくれたのはすごく嬉しいです。1階席は売り切れです! 大成功です! で、2回目は2階席を売り切って、3回目で3階席まで売り切って……『そして伝説へ』って言うけど、これは伝説の始まりです!」という石毛のさらなる闘争宣言に、惜しみない拍手が広がる。「俺の見てきたテレフォンズ・ピープルはこんなにヌルくなかった! 踊れええええ!」という甲高い絶叫をきっかけに、“I Hate DISCOOOOOOO!!!”から再び狂騒モードにジャック・イン! “D.A.N.C.E. to the telephones!!!”では空の客席に巨大な風船人形が立ち上がり、“clashed mirror ball”ではアリーナ中央のみならず四隅からもミラーボールの輝きがオーディエンスに降り注ぎ、“White Elephant”のソリッドなハード・ロック感や“sick rocks”の性急なリフ、“HABANERO”の清冽な電子音がさらに高純度の熱狂を生み出していく。「We are?」「DISCO!!!」というお馴染みのコール&レスポンスも、これまでにないほどの誇らしさと熱量をもって胸に響く。

「今年は本当にいろんなことがあったからさ、震災とか。だから今、こうやって能天気に『ディスコ!』って言えることを、すげえ嬉しく思ってます」と石毛。「最後はこの曲って決めてました。1人1人がディスコだろ?」。“Urban Disco”で巻き起こる、会場一丸の「アイ・アム・ディスコ!」大合唱! 「生きてきてよかったです。本当にありがとう。またライブハウスで会いましょう!」という石毛の万感の言葉を残して、堂々と本編を締め括ってみせた4人。そして…………アンコールの声に応えて再び姿を見せた彼ら。この日行うと予告していたテレフォンズの「重大発表」について、ここで石毛が語ったのは以下の3点。

(1) 年末恒例ライブ・シリーズ『SUPER DISCO Hits』は今日でFINALを迎えるが、2012年には新たに『SUPER DISCO Hits RETURNS』を、ラフォーレ六本木で開催!

(2) 2月8日、ミニアルバム『D.E.N.W.A e.p.』をリリース!

(3) 3月の北浦和KYARA公演からライブハウス・ツアー『D.E.N.W.A KINGDOM TOUR』がスタート。札幌/福岡/名古屋/大阪各2Daysに加え、最後はなんと東京・渋谷クアトロ6Days!

そのまま『D.E.N.W.A e.p.』リード曲にしてテレフォンズ初の日本語詞の楽曲“D.E.N.W.A”のキャッチーな疾走感でなおもスーパーアリーナをでっかく揺らし、同じく『D.E.N.W.A e.p.』収録(そしてインディー期の2ndデモに収録されていた)の日本語曲“swim, swim, swim”の清冽なギター・ロック・サウンドを鳴り響かせていく。「こんな感じで2012年は行くんでよろしくー!」と石毛。ロック×DJクロスオーバーへに“FREE THROW”で最大限のオマージュを捧げ、「埼玉から世界に、いや宇宙に届くくらいの愛を叫ぼうぜ!」と“Love&DISCO”のハイパーなエレクトロ・ロックでオーディエンスすべての快楽の真芯を撃ち抜いて……アンコール終了!
Wアンコールで再度オン・ステージした彼らが最後に鳴らしたのは、この場の多幸感のカタマリのような“Drums,Basses,Guitars,Keys,And Your Love And Voice”。高らかな♪イェーイェイェイェーオーの一大シンガロングがアリーナ狭しと響き……開演から3時間以上に及ぶアクトは終了。「最後、一緒に写真撮らない?」という石毛の呼びかけで、会場一丸の写真撮影。シャッターの合い言葉はもちろん「We are DISCO!!!」。the telephonesの歩みの最高に幸福な「成果」であり、2012年に向けた最高のスタートでもある一夜だった。ここからまた、熾烈で熱くてハッピーな彼らの新次元の闘いが始まるのだ。(高橋智樹)


[SET LIST]

01.Monkey Discooooooo
02.A A U U O O O
03.Baby.Baby.Baby
04.DISCO AGE MONSTERS
05.A.B.C.DISCO
06.Yeah Yeah Yeah
07.Punk Is Not Heavy Metal
08.I Am Me
09.Just One Victory
10.SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!
11.2010
12.My Final Fantasy
13.Homunculus
14.Re:Life
15.Used Skin
16.fu~shit!!!
17.DaDaDa
18.electric girl
19.I Hate DISCOOOOOOO!!!
20.D.A.N.C.E. to the telephones
21.I Wanna Die
22.clashed mirror ball
23.White Elephant
24.sick rocks
25.HABANERO
-we are DISCO!!!-
26.Urban Disco

アンコール1
27.D.E.N.W.A
28.swim, swim, swim
29.FREE THROW
30.Love&DISCO

アンコール2
31.Drums,Basses,Guitars,Keys,And Your Love And Voice
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