DEVILOCK NIGHT THE FINAL ~Thank you and Good bye~ @ 幕張メッセ

幕張メッセで2日間に渡って催された『DEVILOCK NIGHT』のフェアウェル・パーティ(初日の模様はこちら→http://ro69.jp/live/detail/64558)。錚々たる顔ぶれの出演者30組以上が、2日目も熱演を繰り広げてくれた。「Thank you and Good bye」というイヴェント名のサブ・タイトルは、DevilockやDEVILOCK NIGHTにとってだけではなく、多くのアーティストやロック・ファンの心情と重なるものでもあるだろう。すべてのステージをレポートすることは不可能なので、「このバンドが漏れてる」という点については、なにとぞご容赦を。

12:00の開演時間を迎え、まずは導線確認などを兼ねて会場内を散策。HOOTER STAGEとGROUND STAGEが配置されている1〜3ホールへ。HOOTER STAGEは双子の連結型ステージで、交互に絶え間なくアーティストが出演する。つまりこちらのエリアの3つのステージだけでも、終演までライヴ・パフォーマンスがひっきりなしに行われていることになる。WRENCHのハードコアかつバレアリックなミクスチャー・サウンドが、脳ミソを叩き起こしてくれてありがたい。建物を移動して、ホール9~11のキャパ最大ステージとなるBAYSIDE STAGEのトップ=The Birthdayは、チバの詩情がだだ漏れになる“涙がこぼれそう”“なぜか今日は”に立ち会えてラッキーだった。GROUND STAGEのBase Ball Bearの青々としたダンス・ロックは、“新呼吸”のメロウなアウトロの旋律で感情表現の深みに到達する。

BAYSIDE STAGEに戻ってSTRAIGHTENER。広大なフロアの空気にじっくりと意志の形を混ぜ込む“A LONG WAY TO NOWHERE”から、必殺ライヴ・ナンバーの連打である。これぐらいの規模の会場にジャスト・フィットしてしまうサウンド、しかもスリリングなロック・サウンドであることが、それだけで感動的だ。ホリエの歌は、声を張り上げる感じでもないのになぜあのサウンドの中をかいくぐって届けられるのだろう。ラストはシンペイが「BAYSIDEのバーサーカーに捧ぐ!!」と絶叫し、“BERSERKER TUNE”で沸騰したままフィニッシュ。『東北ライブハウス大作戦』のブースに通りかかったとき、ちょうどBRAHMANのTOSHI-LOWが登場していて人だかりが出来ていた。BRAHMANの出演は初日だったので、2日目はこのために参加していたようだ。後に、マキシマムザ亮君も参加して更に大きな騒ぎになっていた。

OKAMOTO’Sのパワフルなスウィンギン・ロックンロールは、終盤の“恋をしようよ”が速い速い。オカモトショウが野獣のような鋭い眼光を放っている。“Run Run Run”の最後に「デビロックゥー!!」と渾身のシャウト。続いてHOOTER STAGEに出演したのはBEYONDSだ。ベースには前日にHUSKING BEEを復活させたテッキン。ドラマーは昨年再加入した大地大介(ダイノジ大地の実兄)。ドリーミーでノスタルジーを喚起する美しいギター音響、そしてハードコアな爆発力まで素晴らしかった。「余りにも恥ずかしいから、白い幕を下ろしてシルエットだけでやりたいよ」と谷口は語っていたけれど、そこから更にパフォーマンスの激しさが増すのがおもしろい。Pay money To my PainのKは「最後のパーティです。楽しんでいきましょう」と“Pictures”を歌い、山嵐の前のめりなミクスチャー・サウンドは大盛況のフロアをまとめてバウンスさせてしまう。

白いスーツで決めた東京スカパラダイスオーケストラは、“ルパン三世 ’78”、“STORM RIDER”、“SKA ME CRAZY”とホットなナンバーを連発したのち、谷中が3月にリリースされるアルバム『Walkin’』について「今の時代は、一生懸命走るよりも、確実に歩いて行くことの方が大切だと思って、このタイトルを付けました。一緒にカッコ良く歩いて行こう!」と語る。“Pride of Lions”では、出た、ゲスト・ヴォーカルに伊藤ふみおだ。スカパラは3/13(火)に代々木公園でフリー・ライヴを行うそうなので、都合のつく方はぜひチェックを。このあとはtoeに移動し、透徹とした騒音美にシビレながら、DEVILOCK NIGHTが辿り着いた懐の深さに思いを馳せる。

MONGOL800の、ポップなライヴ・アクトとしての構築ぶりはますます凄いことになっている。キヨサクは「今まで誘って頂きながらスケジュールとかが合わなかったけれど、最後に出れて嬉しいです。(Devilock代表)遠藤さんとは宮古島でちょくちょく会ったりしてましたが」と語ったのち、今年は自主企画『800だョ♪全員集合!!!』を東京と沖縄で開催することを発表した。モンパチはカヴァー・レパートリーの数々もオリジナリティが溢れていて素晴らしいが、今回は笛や三線のサポート演奏を含めた“こいのうた”によって先頃解散を発表したGO!GO!7188をトリビュート。最後は賑々しくエイサー太鼓軍団も加わり、“豊年音頭”の狂った祭り囃子パンクで笑顔まみれのステージを作り上げたのだった。

SPECIAL OTHERSのテクニカルで情感に満ちたインスト・チューンの数々が披露された後には、予告されていたとおりにオオキノブオ(ACIDMAN)×ホリエアツシ(STRAIGHTENER/ent)をフィーチャーした“あの国まで”と、モンパチのキヨサクを迎えた“空っぽ”が披露されるスペシャル・セッションへ。GROUND STAGEは、ちょっと音響/音量に難がある気がしていたのだけれど、オオキとホリエの美しく伸びやかなハーモニー、それにキヨサクの歌をスペアザが豊かなコーラス・ワークで援護するさまは、そんなことを忘れさせるぐらいに素晴らしいものだった。ボーダーレスなメンバーによるスーパー・バンドのカイキゲッショクは、道化かデスロック風に顔面白塗りのMCたちが一斉にパフォーマンスを繰り広げる迫力満点のステージ。最後にドラム・セットが破壊されて大歓声を浴びる。早くアルバムを聴いてみたい。

そしてACIDMAN。“Carve With The Sense”のダイナミックな爆走や、世界を見透かしてしまったような緻密なアンサンブルの先で新しい意志を獲得してしまう“River”と、こちらもステージのサイズとがっちり見合ったパフォーマンスを展開。オオキは「Devilockにはずっとお世話になっていて。遠藤さんはいつも弟のように可愛がってくれて、俺も兄貴のように慕って。後ろにFINALって書いてあるところでやるのは、何とも言えない、切ない気持ちになるんですけど、遠藤さんはいつも先を見ている人なので、また新しいことをやってくれるんだと思います」と語っていた。この後にもenvyや怒髪天、the HIATUSらが2日目のクライマックスを描き出してくれたはずだが、筆者は終電に間に合わないので泣く泣くここで断念。やっぱり車で来れば良かった。

会場で販売されていた、遠藤憲昭氏の自伝『THE STORY』を、帰路の電車の中で読んだ。その中では、氏の波乱に満ちた半生とDevilockの15年が語られ、関わってきた人々が彼の人生とDevilockを形作ってきたのだと何度も強調され、そしてオオキのMCを裏付けるかのように、未来に向けた意志が刻み付けられていた。カルチャーは、人と人との関わりそのものなのだ。ただファッション・ブランドではない、ただ音楽ではない、人々の連鎖や摩擦の到達点として、この歓喜の2日間があったのだと思う。それは、これからもきっと続いてゆくだろう。ありがとう、Devilock。(小池宏和)
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