ストレイテナー@渋谷DUO Music Exchange

ストレイテナー@渋谷DUO Music Exchange
“STRAIGHTENER ACOUSTIC”として、3月28日に大阪AKASO、そしてこの夜は渋谷DUO Music Exchangeで行われた、二夜限りの貴重にしてプレミアムなアコースティック・ライブ。それは、下記のセットリストをご覧いただければ一目瞭然だけれど、2部構成で新旧とりどりの楽曲を清新なアレンジで響かせた(さらに、「てなわけで、アコースティック・アルバムを出します」とホリエからしれ~っと重大発表も飛び出した!)、本当に贅沢な時間だった。

フロア前方はシート席で、そのまわりを立ち見のお客さんがぐるりと取り囲み、開演の19時を迎えるころにはDUOはフルハウスの大入り状態。その客席からの温かい拍手に迎えられて、ジャケットを羽織ったりと、いつもよりフォーマルな出で立ちでメンバーが登場!
それぞれ定位置に座って、ホリエの3カウントからライブはいきなり新曲から幕を開けた。アコギをかき鳴らしながらホリエは伸びやかなボーカルを響かせ、後方のシンペイは抑え目だがクリスプなビートを叩き出し、ヒナッチはここでもイマジネーション豊かなプレイをみせる。続けて、ホリエがアコギをOJに託してキーボードに向き合って“Toneless Twilight”へ。メロディの曲線美が際だつアレンジと、楽曲に鮮やかな色を添えるOJのギター・プレイがなんとも味わい深く、誰しもがじっと耳と心を傾けて聴き入っている。そう、ぴんと張り詰めたような緊張感を孕んだ、明らかにいつものテナーのライブとは異なるムードなのだ。

そんな少々コチコチな我々を察してか、「思ッテタヨリモ緊張感ガアッテ、ビックリシタダロウ?」となぜか片言でシンペイ(笑)。「チョット軽イ気持チデ来チャッタ自分ヲ恥ジタダロウ?」と場をほぐしてみせる。「悪徳マネージャーにやらされてます」(ホリエ)などとメンバーものっかって、場の空気はいささかほぐれ過ぎてゆるゆるに……(どうにも二枚目になりきれない残念なテナーでした・笑)。しかし、“TOWER”→“Blue Sinks In Green”と再び瀟洒なアコースティック・サウンドでオーディエンスを音楽的愉悦へと誘い、“YOU and I”では荒々しくエモーショナルに演奏する一面も。また、“SIX DAY WONDER”はラウンジ対応型のアダルトなアレンジに転生されていたりと、曲ごとに原画を見るような驚きがあったり、あるいは解体/再構築によって全く新しい響きがあったりと、聴いていると粒ぞろいの短編小説集を読むようなワクワク感が沸き上がってくるようでした。

メンバー自身もアコースティック編成でのステージをとても楽しんでいて、「こうやって昔の曲とかアコースティックで改めてやると、『歌詞がいいなぁ』とか、自分で思うわけです。『今の気持ち歌ってんじゃん!』みたいなね」と自賛を惜しまないホリエ。「“ひとりエモ”に入ってる?(笑)」とシンペイが突っ込めば、「みんなも入ってるでしょ? 入ってるでしょ??」(ホリエ)と強引に同意を求め、一方、「“ひとりエモ”ってなあに?」とあくまでゴーイング・マイ・ウェイなヒナッチでありました(笑)。また、「Coldplayみたいにイケてるバンドになるためにはどうしたらいいか?」という命題に対して、メンバーが出した答えは「ハゲがひとりいた方がいい」という身もフタもないものだったのだけれど、おもむろに帽子を取ったOJがなんと坊主!(「やらされました!
ウソです、自らやりました(笑)」とOJ)。この“売れるための必須条件はハゲ”という仮説が正しいか否かは、次作のセールスが証明してくれるだろう(?)。

10分ほどの休憩を挟んで、第2部は妖艶な“LIVES”からスタート。「アコースティックっつってものれるやつもあるんで、のれるブロックに行こうと思います」(ホリエ)と“Starless Coaster”、“REBIRTH”と立て続けにプレイされれば、アコースティックであることを一瞬忘れてしまうほどダイナミックな躍動感に身体を揺らさずにはいられい。続く“MAGIC WORDS”では客席から自然と手拍子が沸き起こって、場内は一気にパーティ・モードに!
もちろんアンコールにも応えてくれたのだけれど、「ギターを間違えまくった」というホリエからの要望で、今一度“REBIRTH”がプレイされ、ピアノの調べとOJのアルペジオが可憐な“シンクロ”なる新曲も披露。そして、最後は“BERSERKER TUNE”で心地良い熱風を巻き起こして、最高潮の盛り上がりのなかアコースティック・ライブはフィナーレを迎えたのでした。

こうやって腰を落ち着けて彼らの音楽世界に没入してみると――ホリエの思うツボな感じでいささか悔しく思わなくもないけれど、「テナーって、いい曲多いな~」と改めて感じ入らざるを得ない、そんな2時間半だった。再演を激しく熱望すると共に、制作中のアコースティック・アルバムに期待大!(奥村明裕)

<第一部>
01・新曲
02・Toneless Twilight
03・DJ ROLL
04・TOWER
05・Blue Sinks In Green
06・YOU and I
07・SIX DAY WONDER
08・奇跡の街
09・TRIBUTE
10・EVERGREEN
11・Farewell Dear Deadman
<第二部>
12・LIVES
13・Dark Blue Day
14・Starless Coaster
15・REBIRTH
16・GHOST OF CHRISTMAS PAST
17・MAGIC WORDS
18・TENDER
19・ネクサス
<アンコール>
20.REBIRTH
21・新曲
22・BERSERKER TUNE
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