Caravan @ 横浜BLITZ

ニュー・アルバム『Yellow Morning』のリリース・ツアー『Lonesome Soul Survivor Tour 2008』の初日。いつものバンド編成ではなく、全箇所一人で弾き語り。全21本、しかも日程を見ると、2本目の山形から20本目の種子島(っていうのもすごい)まで、一度も東京に戻ってこれないスケジュール。普通長いツアーでも、必ず間に何日か空いている日程があって、その間に東京に帰れたりするようになっているもんだけど、そういうブランクがないのです。2、3日おきに、ずらーっと北から南までスケジュールがつながっているのです。大変。でもCaravanらしい。

開演時刻の18時から6分押しでスタート。驚いた。すんごい緊張している、Caravan。弾き語りライブは普段からよくやっている人だし、そもそもインディーズの頃の作品は打ち込みとか使って自分だけでレコーディングしていたし、一人には慣れているはずなんだけど、アルバムのリリース・ツアーで、21本もあって、初日で、超満員の横浜BLITZで、ってなると、勝手が違うらしい。
2曲目、緊張のあまりギターを弾く手がつまずき、リズムが狂う。フロアがドッと沸く。そのままもう1曲歌い終え、「いきなり間違えてすいません。でもさっきので緊張がとれました!」とMC。これ以降は、最後まで絶好調だった。あ、後半、フロアのリクエストに応えて、予定に入っていなかった曲をやった時もギターとちってたけど、これは単に急遽やったせいだと思われます。

弾き語りといってもギター一本だけと歌だけではなく、ドラムマシン使ったり、ハープ吹いたり、シーケンサーで鍵盤の音を鳴らしたり、あと、あれなんていうんでしょう、ほら、山崎まさよしとかもやっている、まずギター・リフを弾いてそれをループさせっぱなしにして、さらにかぶせてギター・ソロ弾いたりするやつ。
とか、とにかくそういうふうに、シンプルながら音がとても多彩。いつもの、バンドを率いてのライブとまったく同じように、聴かせるとこはじっくり聴かせて、あげるとこはがっちりあげて踊らせる(その時はCaravanも立って歌う)。楽しい。そして、来る前からわかっちゃいたが、過去の代表曲も、新しいアルバムの曲たちも、めったやたらとすばらしい。2時間弱があっという間だった。私は、Caravanのライブというものを、「コンサート」とか「エンタテインメント」とかいうよりも、「幸福」として位置付けている者だが、今日も正に、正に幸福な時間でした。

というふうにですね。ことCaravanとなると、毎度気持ち悪いことを書いてしまうの、ちょっとどうなのよ、という気が、さすがに自分でもしてきた。
その音楽を好きなあまり、つい絶対化してしまうというか、「Caravanマンセー」状態に陥りすぎ。
それに、Caravanの音楽に込められている思想や哲学や人生観がどうリアルでいかに優れているのかについては、これまで何度か書けたことがあると思うけど、音楽そのものがどう物理的かつ具体的に優れているのかは、あんまり書けてない気がする。
「ムダな音が一切入っていない」とか「すべての楽器のすべての音とフレーズに、そうでなくてはならない必然がある」みたいなことぐらいしか、書けてない。それもよくない気がしてきた。じゃあここで書けよって話だが、ちゃんと言語化できる気が、まだあんまりしない。近いうちに、ちゃんと書けるようになります、なんとかして。(兵庫慎司)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on