lego big morl“Thanks Giving”vol.5 guest:flumpool @ LIQUIDROOM ebisu

lego big morl“Thanks Giving”vol.5 guest:flumpool @ LIQUIDROOM ebisu - All pics by RUI HASHIMOTO (SOUND SHOOTER & STINGRAY)All pics by RUI HASHIMOTO (SOUND SHOOTER & STINGRAY)
頭を振り乱しながらギターを鳴らすから、照明を反射させてキラキラと光るその長い金髪が、眩しくてしょうがなかった。それで目を細めながら、ああ、帰ってきたんだ、と実感した。昨年の2月、タナカヒロキ(Gt)が事故に遭い、右手首を骨折。その療養とリハビリのため、彼の所属バンドlego big morlは表立ったバンド活動の一時休止を余儀なくされた。あれから約1年、再始動の一発目のライヴとして行われたのが『lego big morl“Thanks Giving”vol.5 supported by TOWER RECORDS』。再始動の場に彼らが選んだ場所は「ありがとう」の意味が込められたそこであり、招いたゲストはインディーズ時代から対バンをしてきた盟友flumpoolだった。

lego big morl“Thanks Giving”vol.5 guest:flumpool @ LIQUIDROOM ebisu
先攻はflumpool。「いくぜリキッドー!!」という山村隆太(Vo)の声とともにドロップされたのは“Because... I am”、そして“MW~Dear Mr. & Ms.ピカレスク”。サポートメンバーの高藤大樹(Key)を交えた5人編成のサウンドが会場狭しといわんばかりにまっすぐ飛んでくる。「リキッド楽しんでるかい? いや~近いねえ」と阪井一生(Gt)が笑っていたように、アリーナ・ホールクラスのライヴが多いflumpool。この日は対バンというシチュエーションのせいか、それともライヴハウスという場所のせいか、はたまたlego big morlに刺激されたのか、普段よりもロックバンドとしての肉体性が剥き出しになったような音像と佇まいだった。2バンドの間でしか通じなさそうな和やかな身内トークを挟んで(笑)、次に演奏されたのは「flumpoolのなかで唯一復活について唄った曲」(山村)である“reboot~あきらめない詩~”。ときには3人で向かい合いながらお互いのテンションをグイグイ高めていく阪井・尼川元気(Ba)・小倉誠司(Dr)。そしてそれを背負って、腕を広げたり拳を掲げたりしながら全身を使って唄う山村。曲の持つバツグンの飛翔感が惜しみなく発揮された快演だった。

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ヘビーなグルーヴを見せた“覚醒アイデンティティ”、イントロが鳴るなり大歓声が起きた初期の名曲“花になれ”のあとのMCで山村がこう語った。「今日はほんのちょっと後悔してます。5〜6年前にライヴやったときも、音源を聴いたときも、デビューが決まったときも、昔からlegoには悔しい思いをさせられてきてて。legoにだけは負けたくないなっていう気持ちでここまでやってきたんです。でも今日のリハを見てて……自分たちの悔しさなんかに比べたらlegoの悔しさは測りしれないし、その思いってすっげー強いんですよ。だから昔のようにコテンパンにやられちゃいそうだな~って。でも、それを新しい自分たちの力に変えようと腹括ってきました」。そのあとの“強く儚く”での空へと伸びていくような山村のシャウトは願いの歌だったし、会場全体を満たすバンドの熱量には、悔しさを、明日へのエネルギーに変える力が確かにあった。そのあとは、コール&レスポンスやタオル回しが定番となっている鉄板のアッパーチューンで客席をしっかり揺らして、「最高です、リキッドありがとう! lego思いっきり楽しんでいってね!」とバトンタッチ。

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青い光を浴びながら、メンバー4人が現れると、「待ってました!」といわんばかりの歓声が。後攻はもちろんlego big morlだ。1曲目は4人の音の層が丁寧に重なり、会場全体を広大なハーモニーへと導いてくれる“バランス”。今目の前で繰り広げられているこの世界がまさにlego big morlの4人のそれであることを喜ぶかのように、間奏で大きな歓声が上がる。そんなフロアを見渡して頷くカナタタケヒロ(Vo&Gt)をはじめ、やや緊張気味だったように見えたタナカ、ヤマモトシンタロウ(Ba)、アサカワヒロ(Dr)にも笑顔を見せた。大音量の拍手と歓声のなか、挨拶もそこそこに1月22日から配信リリース、この日からはライヴ会場限定盤も発売されている新曲“Wait?”……かと思いきや、ここで機材トラブル。よりによって、タナカのギターの音が出ない。一応最後まで演奏しきったものの、これにはカナタも「神様イタズラするなよ~」と苦笑い。「何もなかったことにしてもう1回やらへん?」と笑いつつも悔しそうな表情を浮かべるタナカ。復旧を待つ間カナタがトークで繋いでいるのだが、思いの外時間がかかっていたために「お前いつ音出るねん!」とキレのいいツッコミが繰り出される場面も(笑)。そして、「ベースイントロ、カモン」とカナタの不敵な笑みとヤマモトによるあのフレーズを合図に“Wait?”をリトライしたのであった。

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「昔の曲から新しい曲までいろいろ用意してきました。最後まで楽しんでいってください」というMCのあとに演奏されたのは“Ray”と“A”。楽器を鳴らしきってエモーションを爆発させる「激」の場面と、繊細なアンサンブルが紡がれる「柔」の場面のコントラストが美しい2曲だ。ここからは一転、“dim”から“ワープ”まで、ミドル~アップテンポの曲を並べて会場を温めていくゾーンでは、アサカワのリズムの頼もしさが光る。フロアからの声に対して、ペコリと一礼してからドラムを叩いて応えるアサカワ。「真ん中にヒロキが来るとやっぱちゃうね。1曲目から感慨深かったよ……」(アサカワ)、「去年の1年間を表現したくて、そんな新曲をやります」(カナタ)という流れで、新曲をふたつ続けて投下。1つめは、ヤマモトによるブリブリのベースラインの上に3人の音や声が重なっていくようにして始まる曲。〈あとどれくらい〉とカナタが繰り返すサビが印象的だった。2つめもやはりベースラインがかなり効いている。この日のセットリストでいうと、“Ray”や“A”のような荘厳なサウンドスケープを持った部と“Wait?”や“knock to me”に共通する攻めの姿勢を持った部分を対比させるように進行していく――つまり、新旧のlego big morlの両面が表れた曲だった。

lego big morl“Thanks Giving”vol.5 guest:flumpool @ LIQUIDROOM ebisu
本編終了後、アンコールを求めるクラップに応えて4人が再登場。「flumpoolと一緒にやれて幸せです。ホンマに、みんなどうもありがとう! 最後も新曲やっていいっすか?」(カナタ)ということで、なんと、アンコールも新曲! “RAINBOW”と名付けられたその曲には、「多幸感」という単語がよく似合う。Aメロ→Bメロ→サビと進むにつれて輝きが増していくような展開だった。演奏が終わったところで、物販で売られていた本イベントのTシャツに身を包んだflumpoolが登場。全員が横に並んで手をつなぎ、8人一緒にお辞儀したところで幕を閉じた。

アンコール後にflumpool山村が「新曲めっちゃエエやん! こういうの出てくると思うと、これから先もホントに楽しみ!」と語っていたが、まさにlego big morlの「これから」への期待が膨らんだ一夜だった。それは、この日のライヴはタナカの復活を祝うお祭でありつつも、lego big morlの再始動を宣言する号砲だったからだ。なお、既にバンドのオフィシャルホームページ等で告知されている通り、lego big morlは4月に東名阪ワンマン(昨年キャンセルになった同日程かつ同タイトル)を行うことが決定している。「雪辱編」という副題が付けられたこのツアー、ぜひチェックしてほしい。(蜂須賀ちなみ)

セットリスト
●flumpool
01.Because... I am
02.MW~Dear Mr. & Ms.ピカレスク~
03.reboot~あきらめない詩~
04.覚醒アイデンティティ
05.花になれ
06.強く儚く
07.星に願いを
08.イイじゃない?

●lego big morl
01.バランス
02.Wait?(新曲)
03.knock to me
04.Ray
05.A
06.dim
07.space dive
08.テキーラグッバイ
09.ワープ
10.新曲
11.新曲
Encore
12.RAINBOW(新曲)
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