映画『ボヘミアン・ラプソディ』の大・大・大・大ヒット(祝!)の流れに乗って、今また脚光を浴びているクイーンの音楽遺産。年季が入ったベテランのマニアも、初めてハマった新参ファンも、2019年、世界は再び、みんなみんなクイーンに夢中なのだ。
そんな中、嬉しいニュースが! クイーンの歴史を語る上で欠かせない伝説のライブ映像×3作品が、この3月上旬、WOWOWで立て続けに放送されることが決定した。いずれも「70年代」「80年代」「2010年代」のクイーンを代表する、ファンなら一度は観ておくべき傑作ライブばかりだ。
クイーンのライブ映像は、他にも数多くのタイトルが存在する。そんな中で、この3作品が敢えて選ばれたのには、もちろんれっきとした理由がある。今回のコラムでは、「ここがすごい!」ポイントをじっくり掘り下げていくことにしよう。
文=内瀬戸久司
クイーン オデオン座の夜~ハマースミス1975
[収録日:1975年12月24日、会場:ハマースミス・オデオン(ロンドン)]
『ハマースミス1975』は、70年代中期(アルバム『オペラ座の夜』の頃)のクイーンを語る上で、絶対に見逃せないライブだ。
もともとはイギリスのBBCテレビで放映されたもので、それこそVHSビデオの時代には、ブートレグ(海賊版)として絶大な人気を集めていた――別の言い方をすれば、「粗悪な映像でもいいから観たい!」と、世界中のクイーン・ファンが長年にわたって渇望し続けた「伝説」の70年代ライブなのだ。
今回WOWOWで放映されるのは、2009年にオリジナルのマルチトラック・テープから修復された、待望のリマスター・バージョン。この時期のクイーンをこの画質/音質で疑似体験できる映像は、はっきり言って、他には存在しない。
もちろんライブの内容自体も素晴らしく、70年代のクイーンならではのハード・ロック的なエッジに満ち溢れたパフォーマンスを心ゆくまで堪能できる。
当時はバリバリの「新曲」だった“ボヘミアン・ラプソディ”がまだフル・サイズじゃなく、「分割メドレー形式」での演奏になっている点もお見逃しなく!